(音楽)ニュース:ロシアのウクライナ侵攻に対するクラシック音楽界の反応⑥(バーデン=バーデン)

ドイツの南西部、療養地として有名なバーデン=バーデンには祝祭劇場があります。ここではベルリン・フィルが「復活祭フェスティヴァル」を行うなど、世界的に有名な音楽家や団体がオペラやコンサートを行なっています。

祝祭劇場は1998年に開場しました。
私が初めて実際のゲルギエフ指揮を聴いたのはその1998年の同劇場柿落としの一環で、プロコフィエフ《賭博師》、チャイコフスキー《スペードの女王》でした。

2003/04のゲルギエフ指揮《二ーベルンゲンの指環》も観ましたが、これは全くストレインジなリングでした(その後、日本公演もしています)。公演後ブーレーズ(ブーレーズはバーデン=バーデンに住んでいました)がゲルギエフに厳しい表情で強い言葉を投げかけていたのが印象的でした。

バーデン=バーデン祝祭劇場はその開場からゲルギエフを中心とするロシア出身の音楽家と強い結びつきがあります。

今回のウクライナ侵攻を受けて、祝祭劇場がプレス・リリースを発表しました(3月1日12時14分)。それによると、

「バーデン=バーデン祝祭劇場はゲルギエフ氏との関係を断つ。ゲルギエフ氏に、今回の非人道的なロシアの行為の後ロシアと明確に距離を置くように伝えたが返事がなかった」としています。

ゲルギエフはバーデン=バーデン祝祭劇場柿落としのコンサートを指揮、マリインスキー劇場と共に24年間にわたり、同祝祭劇場の重要なアーティストでした。

さらに、同劇場インテンダントのベネディクト・スタンパは、4月13日、ベルリン・フィルのソリストとして出演予定であるアンナ・ネトレプコに対し、「協議の必要があり質問状を送っているが、返事がない」としています。

またスタンパは、「今後、ロシアの作曲家の作品、ロシアの芸術家の演奏をし、欧州を結びつけたい」としています。



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