音楽ニュース:プラシド・ドミンゴ、セクハラ告発への陳謝を撤回

大スター歌手プラシド・ドミンゴ(79歳)が8月5日付けのイタリアの新聞『ラ・レプブリカ』でのインタヴューで、これまで非を認めたセクハラ事件の陳謝を撤回し、断固として闘う意志を表明しました。フランクフルタ―・アルゲマイネ紙などが報じました。

ドミンゴはMeToo運動の高まりの中で、複数の女性たちから訴えられていました。その数は10に上ります。調査委員会も設置され、女性たちの主張が認められ、ドミンゴは陳謝し、2019年10月、ロサンジェルス・オペラ支配人を辞めました。

しかし、今年3月、新型コロナに感染したドミンゴは「新型コロナが私を変えた」として、「新型コロナから回復したら、このセクハラ疑惑と徹底的に闘う、と誓った」としています。

ドミンゴは、2020年開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムに出演予定でしたが、19年11月、セクハラ告発を受け、出演を辞退しました。

2017年に映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが告発され、MeToo運動の高まりの中から、クラシック音楽界にもこの波が押し寄せることは十分予想できました。

業界内ではドミンゴのセクハラはずいぶん前から、よく知られていたことです。
ですので、オリンピック・パラリンピックにあわせた公式文化プログラムにドミンゴが出演予定という発表を聞いて(19年4月)、「大丈夫?」と首をかしげたものです。

クラシック音楽界では大物としては、シャルル・デュトワ、ダニエレ・ガッティが糾弾・告発されましたが、最近では指揮台に戻りつつあります。

クラシック音楽界にも、「枕を高くして眠れない」人たちが他にも数多くいると思います。

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