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BRSO 19.12.23 コンサートの記録:ラトル指揮バイエルン放送響、モーツァルト《イドメネオ》演奏会形式(ミュンヘン・ヘァクレスザール)

12月19日、ミュンヘンのヘァクレスザールでサイモン・ラトル指揮BRSO(バイエルン放送響)のコンサートを聴きました。
モーツァルトのオペラ《イドメネオ》の演奏会式上演でした。

プログラム。

客席の後ろから。

《イドメネオ》の世界初演は1781年1月29日、ミュンヘンの宮廷劇場でした。
バイエルン選帝侯カール=テオドール(1724年生、1799年没)の統治時代でした。
18世紀後半のドイツ、またヨーロッパの文化と学芸、科学の振興において、カール=テオドールは重要な人物です。

元々、プファルツ選帝侯だったカール・テオドールは、自身の宮廷があったマンハイムのオーケストラを世界一のオーケストラにしました。
マンハイムには優れた音楽家たちが集まり、モーツァルトもここで就職活動をしました。
ウィーン古典派の先達である『マンハイマー・シューレ(マンハイム楽派)』の作曲技法はモーツァルトだけでなくベートーヴェンにも大きな影響を及ぼしています。
また、マンハイム楽派の作品はパリで出版されていることも重要でしょう。

1777年、バイエルン選帝侯マクシミリアン3世ヨーゼフの死去でバイエルン系ヴィッテルスバッハ家が断絶したため、カール・テオドールはマンハイムからミュンヘンに移り、バイエルン選帝侯を継承します。
この時にカール=テオドールはマンハイムから自分のオーケストラを連れて行き、音楽の中心地はミュンヘンに移りました。

《イドメネオ》はモーツァルト24歳の時の作品です。
何よりも、管弦楽が素晴らしく、私の大好きな作品です。

また、ラトルも《イドメネオ》を大好きな作品の一つとしており、今回の世界最高のオーケストラの一つであるBRSOの演奏は楽しみでした。

歌手も一流を揃えているのですが、演奏ではとにかくオーケストラが素晴らしい。
フィナーレの最後、管楽器のアンサンブルでは、ラトルは指揮をやめて傍らの椅子に座り、奏者に任せて自分も聴き入る、というシーンがありました。

《イドメネオ》の演奏には3時間かかります。
通常コンサート開始は20時ですが、例外的に19時開始。
上記プログラムでは22時終了となっていますが、30分の休憩を挟んで22時30分の終了でした。

ドイツ語で『世紀の一瞬』、『運命の時』を『Sternstunde』と言います。
まさにこの言葉がふさわしい3時間でした。

後ろのコーラスを讃えます。

すぐスタンディング・オーヴェーションになったのですが、真っ先に「ブラヴォー!」と叫んで立ち上がったのは私の一人おいて隣にいたヴァイオリニストのアンネ=ゾフィー・ムターでした。

ここまでのフォトは(c)Kishi


以下はBRSO提供のフォトです。© BR/ Astrid Ackermann


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