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オペラ:バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァル②、ヴィヴァルディ作曲《オルランド・フリオーソ》(狂乱のオルランド)、9月10日、バイロイト辺境伯歌劇場、 Bayreuth Baroque Opera Festival 2024, 10.09.24, Markgräfliches Opernhaus Bayreuth, Vivaldi "Orland Furioso"

9月5日に続き、10日はヴィヴァルディ作曲《オルランド・フリオーソ》の新制作初日を観ました。
これはフェッラーラ劇場、モデーナ・パヴァロッティ劇場との共同制作です。
9月5日の公演については →

5日は真夏の暑さだったのですが、もう秋の風情で、上着や軽いコートなしでは寒い。

バロック・オペラはオーケストラ編成や楽器も興味深い
私の2列後ろにはマックス・エマヌエル・チェンチッチがいました(右下)。
チェンチッチは有名なカウンターテノールで、このフェスティヴァルの芸術監督です。

プログラム。

左ページはヴィヴァルディの肖像画として最も有名ですが、今日の研究では本当にヴィヴァルディかどうか疑わしいとされています

ヴィヴァルディといえば《四季》。これしか知らない人も多いと思います。

ヴィヴァルディは夥しい数の器楽曲を残し、ヴァイオリニストとしても有名でした。

しかし、ヴィヴァルディが生きた時代はオペラの時代でした!

ヴィヴァルディも本人曰く『94のオペラを作曲』し、そのうち49の存在が確認されています。22のオペラ総譜、その内、16が本人のものとして確認されています。

とにかく、当時、オペラは現在の流行歌のように、大人気歌手(カストラート)のためにガンガンつくられ、上演されてはハイ次、という状況でした。
そしてその多くが現在まで残っていないのです。

それを発掘上演しようとする試みには本当に頭が下がります。
歌手にとっても、勉強と歌唱技術が途方もなく大変なのに、上演が少なく、経済的には苦労の割に報われない。《ラ・トラヴィアータ(日本では《椿姫》として有名)》や《カルメン》だったら、大桁違いの上演回数なので割がよいのですが(ただし、競争も激しい)。
これは指揮者やオーケストラも同じです。

でもバロック・オペラは本当に尽きることのない泉、大きな楽しみを与えてくれます。
上質な公演であることはもちろんなのですが、もっともっと多くの方たちに楽しんでほしい。
そして当時、多くの女性たちをその歌唱で失神させたカストラート歌手は現存しないので無理ですが、現在の超一流のカウンター・テノールの至高の歌唱芸術に触れてほしい。

そんなことやオペラ、音楽のあれこれについて、この日もT教授と遅くまで話しました。T教授の博識ぶりと情熱にはいつも感嘆します。
来年、また楽しみです。

カーテンコール。

FOTO:(c)Kishi

以下はフェスティヴァル提供の写真です。
© Marco Caselli (Nirmal Teatro Comunale Ferrara)


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