旅の話:モンテカルロ(モナコ公国)
ドイツでは新学期、学校も始まりました。
夏休み明け、コロナ感染者数も増加しています。
8月初めから中旬にかけては連日35度を超える猛暑で、ここのところやっと落ち着きましたが、コロナ疲れに夏バテが加わり、そして町中ではコロナの影響からか閉店するところも出始め、来る冬のインフルエンザ流行とコロナの今後を考えると、ちょっと重苦しい雰囲気です。
昨晩、テレビで映画《グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札》(2014年、オリヴィエ・アダン監督、ニコル・キッドマン主演)をやっていました。
2年前の11月、モナコのモンテカルロに行ったのですが、ちょっと気分転換に、その時の写真をここにご紹介します。
モンテカルロ滞在は、2018年11月17~20日の3泊でした。
目的は、山田和樹指揮、モンテカルロ・オペラの新制作、サン=サーンス作曲≪サムソンとダリラ≫のゲネプロとプレミエでした。
《サムソンとダリラ》、ストーリーは別として、この作品の音楽が、私、大好きなのです。
新制作初日の11月19日はモナコの『ナショナルデー』で、モナコ大公アルベール2世夫妻らも公演に臨席していました(アルベール2世はグレース・ケリーの長男です)。場所はグリマルディ・フォーラムで、これはガルニエ設計で有名なモンテカルロ歌劇場ではありません。モンテカルロ歌劇場は、座席数約500ほどで小さいため、です。
→『音楽の友』2019年3月号168頁に詳細記事
旅の初日はトラブルに見舞われました。
チューリヒ乗り換えニース行きの飛行機がチューリヒに延着したため、ニース行きに間に合わなかったのです。結局チューリヒからフランクフルトへ、フランクフルトからニースに飛んだため、予定到着時刻が大幅に遅れました。
悔しいのは、ニースからモンテカルロに飛ぶヘリコプターに乗れなかったことです。ニース空港からモンテカルロまでタクシーを飛ばし、かろうじてゲネプロには間に合ったものの、ハラハラでした。
ちなみにこの日、ニースでフランスの反政府抗議運動『黄色いベスト運動』が始まり、翌週からはニースからパリに飛び火し、パリが長期間にわたって騒然となったことは記憶に新しいと思います。
モンテカルロはカジノやF1世界選手権レースの『モナコ・グランプリ』で有名です。
私が泊まったホテル・フェアモントの部屋は、ホテルの正面玄関の真上、モナコ・グランプリで最も有名なヘアピンカーブが部屋のバルコニーから目の前に見える部屋でした。
これが部屋のドア。「ヘアピンカーブ」が見える部屋には、このように特別表示があります。
部屋のバルコニーからヘアピンカーブを見たところ。
ホテルの部屋にはコーヒーや紅茶、お菓子などが置いてあるのですが、その中に混じって、お菓子のグミ(グミとはドイツ語でゴムという意味です)のような小さな袋があり、何かと思ったら、実は食べられないゴム(グミ)、つまりコンドーム! ヨーロッパの、しかも最高級ホテルで初めて見ました・・・というわけで、印象に残りました。
さて、断崖絶壁の街なので、ホテルの造りも傾斜を利用しています。
ここが朝食のレストランで、上の階にありました。前は地中海、遮るものはありません。
さすが地中海、11月も半ば過ぎだというのに、朝から泳いでいる人もいました。
朝食・レストラン階の陸側出口からの風景です。歌劇場とカジノが見えます。
この出口を出る近道を通ると、街の中心部に出ます。クリスマスの準備が始まっていました。
カジノ横にあるカフェ・ド・パリ、エスプレッソが5€もします。ドイツの約2倍!
有名なオテル・ド・パリの正面入口。
オテル・ド・パリの横から港へ降りていく途中です。クルーザーやヨットが泊まっています。向かい側の半島の上にモナコ大公宮があります。
大公宮側から街を見たところ。
モナコ大公宮。
大公宮前広場。ナショナルデーなので国旗がはためいています。
レーニエ大公とグレース・ケリーが結婚式をあげたモナコ大聖堂。
さて、ホテルを出て、日本庭園の横を通り、オペラ公演のあるグリマルディ・フォーラムへ。
入口の様子です。
このように、おそろしく大柄な近衛兵が立っていました。制服のデザインのせいか、立ち方のせいか、あまりかっこよく見えない。
モンテカルロで嬉しかったのは、ヴェネチア本拠の、私が大好きなレストラン『チプリアーニ』がホテルの近くにあったことです。
東京からお見えになったTKさんと軽く食事をしようと歩いていたら、偶然見つけました。偶然だったので予約もしておらず、ちょっと気後れしたのですが、とてもフレンドリーで、モナコにありながらイタリアの気取らない雰囲気があり、美味しいお料理をいただきました。
TKさん、ご馳走になり、ありがとうございました!!
山田和樹さんにも大変お世話になりました。ありがとうございました!!
太陽の光が降り注ぐ『ノストラ・マーレ』(古代ローマ人が地中海のことをこう呼びました。『われらの海』という意味です)、やはり大好きです。
FOTO : すべて©Kishi