オペラ:バイロイト・フェストシュピーレ開幕、ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》新制作、25.07.24 Bayreuth, Festspielhaus
今年のバイロイト・ワーグナー祭は7月25日、新制作《トリスタンとイゾルデ》で開幕しました。夏日でしたが、殺人的な暑さではなく、助かりました。
開幕には政治家や各界の著名人が集まるため、厳重な警戒です。
昨年、ワーグナー人形が盗まれたため、このような看板がありました。
「アーティストの所有物。そのままにしておいてください。Ottmar Hörl(アーティストの名前)」
盗まれた事件に関する投稿はこちら →
プログラム
バイロイトも劇場改修に莫大な費用がかかり、毎年、話題になります。
今年、初お目見えしたのは、このエレヴェーター。高齢化社会、そしてバイロイトの客は高齢者も多いし、マストでした。
ただ、冷房は・・・無理でしょう。
終演後。大ブラボーでした。
以前だったら、大ブーになるところなのに・・・時代と共に行儀が変わったのか、おとなしくなったのか、あるいは観る目・聴く耳が悪くなったのか。
ちなみに私自身はブーを叫んだことはありません。
公演には多くの人たちが長い時間と労力をかけて取り組むので、それに対するリスペクトからです。ただ、一人一人のカーテンコールで、良くなかった歌手や指揮者、演出チームには拍手を少なくか、しないことにしています。
ブーといえば、第二幕が終わったところで、マルケ王役のグロイスベックにひどいブーが出ました。このブーは一人によるもので、それに、ブーを出すような出来ではなかったので、不当なブーだと思います。
隣に座っていたフランクフルター・アルゲマイネの批評家も同意見で「個人的な恨みかも」と話しました。
さて、今回の中身については『音楽の友』誌に執筆予定です。
公演終了後。
ただ、今年はVIPがもっとも少なかったと言われています。
常連のメルケル元首相の姿もありませんでした。
また、私は確認していないのですが、開演前、劇場正面入り口で、VIPを迎えるメンバーにカタリーナ・ワーグナーがいなかったそうです。
ところで、翌日の新聞『北バイエルン・クリア』にこのような写真が出ていました。
左は第1面。エンターテーナーのロベルト・ブランコ(左)とバイエルン州首相マルクス・ゼーダー(右)です。
右は第9面。9面とはいえ、この日本人のご夫婦の写真が誰よりも大きい!州首相よりも、そして右下のバイエルン州文化大臣マルクス・ブルーメよりもです。
記事によると「東京から来たSeiji KitoさんとAkemiさんご夫妻は日本の伝統的な着物を着ています。お二人はバイロイトのために、わざわざ日本から来たそうです。お二人によると、バイロイトは日本でもよく知られているそうです」とあります。
確かに、このSeiji Kitoさんは、背も高く、目立っていました。女性の着物姿はたまに見かけるのですが、男性は珍しいのです。
一方、その左下の写真の、サッカーのトリコを着ている東洋人の男性も目立っていて、「行き先を間違えているのでは・・・」と思ってしまいました。記事によると台湾からだそうです。
やっと日本からの客も見かけるようになりました。
ただ、日本語が聞こえてきて、詳しいと思える方が間違った、あるいは不十分な説明をしていたのは気になりました。でも、私が「もしもし、それは違いますよ」ということはできないし・・・ま、よくあることで、ちょっとムズムズしてしまいます。誰より、お客様が気の毒です。
それにバイロイトに限らず、そして以前からですが、公演後、みなさん感想を述べたい、わからない部分を訊きたいなど、お話したい方がたくさんいて、話しかけられることも多いです。それが、また大きな楽しみのひとつだと思います。
この夜はお知り合いと一緒に食事に行き、楽しい時間を過ごしました。
ただ、翌日はザルツブルク音楽祭に行く予定があり、早朝に出発しなければならないため、早々に引き上げました。と言っても、1時を回っていたと思います。
FOTO:(c)Kishi
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