オペラ:ワーグナー作《ラインの黄金》、エルル・チロル・フェスティヴァル、05.07.24 Tiroler Festival Erl
7月5日、エルル・チロル・フェスティヴァルでワーグナー作《ニーベルングの指環》の序夜《ラインの黄金》を観ました。
フェスティヴァルのHP→
エルルはオーストリアです。ドイツとの国境にある小さな村で人口は約1600人ほど。しかし歴史は古く、ローマ時代に遡ります。
ヨーロッパには『受難劇』が多くあります。その中で、最も有名なのはドイツの南部の村オーバーアマンガウで10年に一回行われる《受難劇》でしょう。
これについては以前の投稿をご覧ください →
エルルの『受難劇』もとても有名で、ペストがおさまることを祈願して、1613年頃に始まったと言われています。
現在は6年に1回の開催で、村人600人、つまり村の全人口の4割強が出演者、事務部門として関わります。次回は来年です。→
この歴史もあり、エルルにはもともと受難劇が行われる劇場がありました。
これが『受難劇劇場』と言われるもので、タイトル写真の左側の白い建物です。
ただ、この建物は1959年に建設され、1500人収容です。
村人のほとんどが収容できる席数です(笑)。
右側のフェストシュピールハウスは新しく建設、2014年からフェスティヴァルの会場として使用されています。座席数は732。
こちらについては私の投稿をご覧ください。→
ただ、上記投稿の中で、建設期間について、建設会社会長夫人が「10か月くらい」と言ったのですが、チェックしたら『21ヶ月』でした。それでも異例の早さです。
というわけで、今年は《ニーベルングの指環》チクルス上演が2回行われます。1回目に出かけました。
座席数と音響の関係で受難劇劇場を使います。
周囲にはチロルの自然と高級スパホテルがあります。
もちろんグルメ・ファンの舌も満足させます。
フェスティヴァルの客はウィーンやザルツブルク、インスブルックから、休暇を過ごしながら上質の音楽を楽しむという人たちが多いそうです。
ザルツブルク・フェスティヴァルが世界中から音楽ファンを集め、ただ、ただでさえオーバーツーリズムに嫌気がさしている人たちが、ここに難を逃れ、ゆっくりと芸術を中心に集うそうです。
芸術的水準は高く、ウィーンやザルツブルクの人々の耳を満足させ、「知る人ぞ知る」という雰囲気もあります。
プログラム。
音響は驚くほど素晴らしい。
オーケストラはステージ後方で演奏するため、歌手はモニターに映る指揮者を見ます。
(カーテンのない)カーテンコール。
FOTO:(c)Kishi
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