音楽ニュース:ベルリン・フィル6月20日のヴァルトビューネ・コンサート中止と代替テレビ番組

ベルリン・フィルは毎シーズンの掉尾を屋外のヴァルトビューネでのコンサートで飾ります。今年は新型コロナ・ウィルスの影響で中止になりました。
しかしライブ・コンサートの代わりに特別番組が放送されることが、本日発表されました。

これは、1984年以降のベルリン・フィルのヴァルトビューネでのコンサートを振り返り、それにまつわるベルリン・フィル団員の話を聞くものです。団員は3人登場、中に第一コンサートマスターの樫本大進も予定されています。

この番組は、6月20日20時15分(日本時間21日3時15分)から、 rbb(ベルリン・ブランデンブルク放送協会)、3sat、ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホールで放送されます。なおデジタル・コンサート・ホールでは6月21日13時(日本時間同日20時)以降、来シーズン開始まで視聴可能です。

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ベルリンのヴァルトビューネは1936年、ベルリン西部に建設されました。座席数は22,000 です。
古代ギリシャの円形劇場をモデルにしており、建設のきっかけは1936年のベルリン・オリンピックでした。

オリンピック開催に伴い、文化施設を建設しようというゲッベルス宣伝相の発案で、ヒトラーは座席数10万人を求めました。ヘンデル作曲のオペラ≪ヘラクレス≫とメラー作の演劇≪フランケンブルクのさいころ遊び≫が上演されました。
当時はディートリヒ・エッカート・フライリヒトビューネと呼ばれました。ちなみにフリートリヒ・エッカート(Friedrich Eckert、1868-1923)は文筆家で、1918年には反ユダヤ主義を標榜する新聞を発行、ヒトラーに大きな影響を与えた人物です。

第二次大戦後はヴァルトビューネと名前を変え、屋外映画場やボクシング競技場として使用、61年からはロック・コンサートが催されていました。
65年のローリング・ストーンズのコンサートでは「コンサート時間が短すぎる」と憤慨した聴衆が暴れ、警察が出動する事態になりました。この時の被害額は当時40万マルク、現在の価値でいうと約81万3千€(約1億円)にのぼるとされています。その後7年間閉鎖、ほとんど使われることはありませんでした。

最近ではロック、ポップス、クラシックのコンサートの他、サッカーやテニスのパブリック・ヴューイング会場としても使われています。




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