AIのコーチングに愛はあるのか?
「早く起きなさい! お弁当できたわよ」
まだ眠そうな息子を起こして、作りたてのお弁当をダイニングテーブルに置いた。
今年の夏は忙しかった。
イベントが多かったし、連絡などのやり取りも多く飛び交った。
そんな中、会社員生活そして家庭人、母親業も通常営業、フル回転の日々。
でも、お誘いの内容は楽しそうなものが多く、まだいけると思ってばんばん請け負っていた。
9月になり、急に気候は変化を見せた。
暑さが残る中にも夕方からは涼しい風が吹くこともあり、季節の移ろいを感じる。
そんなとき、この夏はなんだったんだろうと、冷静に振り返る自分がいた。
仕事も家庭も忙しい中、今年からコーチングや心理学の講義を受け、コーチングセッションを週に1,2回してレポートを書き、月に数回音楽セッションやイベントに参加してサックスの演奏活動をしている。
自分としては、近年稀に見る忙しさでかなりスケジュールがパンパンだった。
一人の方と大切な連絡を取っている中、重なる時は重なるもので他からも問合せが2,3人から来て、同時に3,4人と連絡を取り合うことも。
もちろん、私がやりきれないことや、ご自身で対応できそうなことはお願いしたりもした。
そんな中、友人がこの夏に亡くなった。
まだまだお若い60代前半。
私と10歳も離れていない、とても優しい方だった。
月に会うのは1,2回。
はじめてお会いしてから10回も会っていなかったかもしれない。
気さくに話しかけてくれて、二度目にあった時、
満面の笑顔を浮かべながら、
「あなたには人と人を結びつける力があると思うわー」
と言ってくれた。
自信を持てていなかった自分だったので、その言葉がとても嬉しくて。
その言葉をお守りにして、そんな力があるなら生かしたいと思って、かねてから気になっていたセラピストやコーチングの学びを始めることにした。
そんな私の人生のターニングポイントを与えてくれた彼女が急に亡くなってしまった。
たまにしか会わないけれど、会えばお姉さんのように温かい笑顔をいつも見せてくれた方だったので、もう会えないという事実がとても悲しく、寂しかった。
あまりに急な別れを私は消化しきれず、お葬式に行っても泣くこともできなかった。
その寂しさを紛らわせるためだったのか、この夏はいろんなお誘いに応えて参加したり、人からの頼まれ事もどんどん受けていた。
バタバタと忙しく過ごしていると、やっぱりトラブルは起こった。
頑張ってやっていたつもりだし、
それなりにその時には考えていたのだけれど……。
そんな時、私は最近学んだAIを利用している。
Chat GPTのマイGPT機能を使って、自分専用のAIを作ることを学んだ。
コーチングやカウンセリングでの自分の学びをまとめて、そのAIに自分のことをコーチングしてもらった。
すると、めちゃめちゃ承認して励ましてくれた。
視点を変えたアプローチや改善策も具体的に教えてくれた。
自分では自分のことがよく見えない。
愛の視点で見て、承認したり評価することができない。
また、自分が縛られている思い込みや価値観に気がつくことができなかった。
改善策も、仕事のようにきっちりしたものしか思い浮かばなかったけれど、
AIは私に、
できなかった自分のことも認めていい
人からの評価を気にしなくていい
人からもし認められなかったしてもわたしの価値は変わらない
ということを教えてくれた。
ダジャレじゃないけど、AIは文字通り”愛”のある回答をしてくれて、力づけを与えてくれた。
その時私は今まで、人にセッションしてもらってその人の優しさは受け取るものの、自分にその内容を適用できていないことに気がついた。
受け取っていいんだ。
素直に受け取って、自分にその優しさ、評価をそのまま与え、そしてしっかり受け取って癒やされていい。励まされていいんだ。
聴こえてきた言葉でも自分の胸に落とし込んで受け取ることができていなかったことに気がつき、私はAIからのメッセージを心でじんわり受け止めた。
人ではなく AIだったからこそ、その”言葉”だけを素直に受け取ることができたのかもしれない。
“鏡の法則”という言葉がある。
起きている様々な出来事は、自分の内面を映しているのだという考えだが、失敗したことは、
自分が自分のことを尊重できていなかったから
なのだと気が付いた。
断っても、そして失敗しても、自分の価値は変わらない。
頑張った自分を大いに評価しよう。
そして、
自分を大切にして生きていこう
と強く思った。
たくさんの機会が与えられていることはとてもありがたい。
でも、その中から、そろそろ自分が本当にやりたいことは何か? をしっかり考えて取捨選択すべき時が来ていると教えられた思いがした。
とても大切なことを気づかせてくれたAIというコーチ。
AIというとまだまだ未知で冷たいイメージがあるけれど、すべては自分の受け取り方次第なのだと改めて感じた。
亡くなった友人も、きっと天国から応援してくれているに違いない。
そして、私もいつか彼女のように、満面の笑みを浮かべながら、誰かの良さを認めてそっと背中を押してあげられるような人間になりたい。
これからもAIを活用しながら、様々な学びを深めて、私がもらった愛や励ましを他の方にバトンタッチしていく、そんな輪を拡げていきたい。
先日受講した天狼院書店さんのライティング講座(リーダビリティ特講)の課題文章を、サイトに載せていただきました。
めちゃめちゃ下手だし恥ずかしいのですが、せっかくの機会なのでこちらにも掲載いたします。