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ジャケ買いした本を見てほしい

こんにちはー!桜田です。今回は本の話をしようかと。
僕が思わずジャケ買いした本を紹介しようと思います。実は結構前からしたためていた記事ではあったのですが、ようやくまとめ切ることができました!

本はもちろん中に何が書いてあるかが肝心なわけですが、その中身を知ってもらうための顔となるカバーも本というモノを語る上でめちゃめちゃ大事だと思うんですよね。5冊ほど紹介させてくださいー。


①昨日星を探した言い訳(角川書店)

著者:河野裕/装画:浮雲浮一/装丁:川谷康久

タイトル、イラスト、デザイン、全てにおいてカッコいい。
ふと訪れた書店で見つけて一瞬で目を奪われました。なんなんだこのカッコいい本は!?
まず飛び込んで来たのが絵の迫力です。
星空にこの焼けるような照り返しの雲は非現実感が出て引き込まれます。制服姿の女の子に時計、懐中電灯、トランシーバーなど描かれている小物からもどんなストーリーが紡がれるのか、想像が膨らみます。
そしてタイトルもめちゃいい。
こういう詩的で意味ありげなタイトルは僕も好きなので自分のイラストや同人誌のタイトルにもよく使ってます。エモくていいですよね。ただこういうタイトルってハマればめっちゃハマるんですけど、スベるときはめちゃ滑るみたいな感じがして使い所が難しいなとも思うんですよ。その中で「昨日星を探した言い訳」というタイトルは僕の胸を一撃で射抜いて来ました。
縦書き4行の文字配列もオシャレだなと思いました。細かいところになるんですが、背表紙の上下に余白があるデザインもかっこいいなと。

上下に余白を持ってくるデザインがかっこいい

ちなみに本文に至るまでの遊び紙、中表紙、目次のページもかっこいいです。ぜひぜひ本物を一度手に取ってください!


②夜は、待っている。(東京糸井重里事務所)

著者:糸井重里/装画:酒井駒子/ブックデザイン:清水肇(プリグラフィックス)

本の触り心地すら、暖かい。
コピーライターで有名な糸井重里さんのご著書です。ウェブサイトやツイートで発信されている言葉を集めた「小さいことば」シリーズの一冊です。何冊かあるうちの僕はこの酒井駒子さんの絵が表紙の巻が一番好きなんですよね。
酒井さんの絵が醸し出すやわらかい印象のカバーに思わず目を奪われます。そして表紙に使われている用紙がこの本に唯一無二の価値を生み出します。タントセレクトという用紙が使われているのですが、触り心地が堪らないんですよね。このキャンバス生地のような風合いが酒井さんの絵により暖かみを持たせていると思います。こういったところが電子書籍では出せない、持っておきたい本に仕上がっているのだなと思いました。

ざらざらした用紙の質感がいい。中に入っているカードにはこの用紙を
使った理由が書かれているカードが入っていました


③銀河の片隅で科学夜話(朝日出版社)

著者:全卓樹/装画:Rob Gonsalves/装丁:佐々木暁

あまりにロマンチックな科学エッセイ
SNSで流れてきて知った本です。見た瞬間即欲しいという衝動に駆られてポチりました。
まずタイトルとデザインが良すぎるなと。特筆すべきは帯を巻いた時のデザインの方が巻いてない時よりかっこいいと思ったところです。

個人的には帯って語気強めの宣伝文句が入ったりするのでちょっとガヤガヤするなぁと思うことが多くて、帯がない時のデザインの方がいいなと思うことの方が多いのですがこの本に関しては帯があった方が画面が整っているような気がしていいなと思います。

こちらが帯なしのデザイン。
まぁでもこれはこれでかっこいいなと思います。

ちなみに使われている扉ページのデザインや使われている挿絵も全部素敵です。中身を上げるのは流石に憚られるのですが、一回手に取って中身を見て欲しいんですよ。科学エッセイという一風変わった本ですが全先生の文章もとても面白くて本として素敵な本に仕上がっています。

第2弾の「渡り鳥たちが語る科学夜話」も発売されています。
いやもうお洒落すぎる。


④銀河鉄道の夜/汚れつちまった悲しみに……(集英社文庫)

著者:宮沢賢治・中原中也/イラスト:浅田弘幸/カバーデザイン:泉沢光雄

イラストが名作文学を読むきっかけになった。
僕の人生のバイブルの一つである「銀河鉄道の夜」ですが、初めて手に取ったのがこの集英社文庫版です。当時、テガミバチの大ファンでして浅田弘幸先生の絵にすごくハマっていたんですよね。それで読んでみようかなと思って手に取りました。このきっかけがなかったら今も銀河鉄道の夜を知らないまま生きていたかもしれないので、そのきっかけを与えてくださった浅田先生には感謝するばかりです。
名作文学の書影はいつかやってみたいと思うお仕事のひとつです!

汚れつちまった悲しみにの方も中原中也なんてそれまでなんの興味もなかったのですが、浅田先生の絵が素敵という理由だけで買いました。


⑤新潮文庫プレミアムカバーシリーズ(新潮文庫)

名作の信頼がなしえるシンプルすぎるカバー
カバー自体に絵はないんですけど、この「銀河鉄道の夜」とか「宇宙のあいさつ」というタイトルの後ろ側に無限のイメージが広がっていきます。そのイメージも読者それぞれの心の中にあるので、絵を描いて変にイメージを当てる必要もないんですよね。本当に何十年何百年と読み継がれてきた名作にしかできないカバーだなと思いました。


というわけで僕がジャケ買いした本の紹介でした。改めて見てみると星とか夜をモチーフにしたら作品ばっかしですね。。。本当に意図したわけではないのでびっくりです。

僕もイラストレーターの端くれとして何冊か装画を担当させていただいたことがあるのですが、装画ってある意味では作者さんが描かれた本文より先に読者の目に留まることになるのですごく責任重大な仕事だと思ってやらせてもらっています。

満月珈琲店の本はまだ自分が原案なので世界観がズレる心配などはないのですが、他の先生が書かれている小説の装画なんかは本当に自分の解釈で合っているのかどうか、めちゃめちゃ気になります。

何より何十冊何百冊と本が並ぶ書店というあの大海原で自分の描いたイラストがお客さんの目を惹けるのかというのは今でも不安で緊張します。それでも読書が好きなイラストレーターとして装画はずっと憧れの仕事だったので嬉しいことには間違いないので、一生懸命やらせていただけたらと思います!イラストレーターとして、著者と読者を繋ぐようなイラストを描いていけたらと思います!

最後まで読んでくださってありがとうございました!

桜田が描かせていただいた書影一覧
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