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はじめに

「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」
                    アルベルト・アインシュタイン

 この名言を初めて耳にしたとき、私が常々考えていることは大昔から考えられていて、しかもこんなに格好良いフレーズになっていることにちょっと衝撃を受けた。「常識」「普通」「当たり前」。それらはひとりひとり、人によって違うものなのに、他人に押し付けるように放つ言葉として使われる場面が圧倒的に多い。「そんな常識も知らないのか」「普通そうするでしょ」「そんなの当たり前じゃん」。…かく言う私も、これらの言葉を普通に使う。なるべく使わないように意識はしているが。特に、この世に生まれて数年の子どもらと接していると、大人になってしまった私の常識は全く通用しないことがわかる。毎日のように、私の偏見のコレクションを押し付けている。

 私は読書が好きなほうではない。今まで読んだ本を思い出してみると、両手で数えきれるくらいだ。正直、活字を読んでいるとすぐに眠くなるタイプ。でも、自分の「偏見のコレクション」を、「私の普通」を、紐解いてみたいと思い、エッセイという形をとることにした。きっかけはまあ、追々。しかも、これまで何をやっても長続きしなかった飽き性の私が、果たして書きたいことを書き終えることができるのか。外はやたら風が強い。今日から私は人生を振り返り、言語化するというチャレンジを始める。

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