ブルー 一日一詩vol.11
自転車を漕ぐ力を強めた
踏む、汗は額から首筋へ
踏まれても伸びる雑草あるらしいが
考える力のほうが本当は必要とされる
ことも解らずに踏み続けた
惰性で動く 下り坂はな
風を受ける 心地良さは今だけか
未来 希望 勉強 何になりたい
何もないから 簡単に決める
人と比べて
何もない 自分に嫌気さす
カラオケ 他人の唄はうたえるのに
やりたいことなんて十代で決まらないよな
決まってるヤツ片っ端から羨んで
才能とか 努力とか
過ぎた時間は ブルーなだけ
夏休みの図書館 独りでもできること
あるはずなんだ あったはずなのに
蝉の音 セブンでアイス
バイト落ちて 誰からも必要とされない午後
神社の祭り 来年も来てるかな
東京の大学 イメージだけはご立派な
夢見 うちわ 外の風を仰ぐ
少年は何を残せたのか
未来で引き受けて うたえるようになるまで
自分のことば 十年二十年 自由に
内房線は今も東京から続いていて
その距離は物事を考えるにはちょうどいい
このまちに帰るまでブルー
思い出すから 着火する
無駄に過ぎた日々 ワイシャツ
伸びかけの坊主頭 学校名の付いた革バッグ
ブランドロゴの入った財布から切符出す
履歴書に書ける数行が増えただけ
あの日と何が変われたんだろうか
ブルーが追いかけて
来る 僕は苦しくても踏む
上り坂 息があがる
ブルー 来る 踏む 震える
まだ もうちょっと踏む