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副業ダイアリー 3 カスタマーハラスメント

カスハラ問題は日々深刻化しています。
離職率を上げる一因にもなっています。

カスタマーハラスメントとは
 令和元年6月に、労働施策総合推進法等が改正され、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となった。
この改正を踏まえ、令和2年1月に、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)が策定され、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)に関して、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取組を行うことが有効である旨が定められた。

厚生労働省公式より

実際に目撃したり体験したカスハラ行為


・入店してすぐにスタッフに「おいそこの女」と呼びつけ、あれを取れこれを取れと指示。レジ袋が有料と説明されると「なぜ有料なんだ」と怒鳴る。「女のくせに男の言うことが聞けないのか」と一時間程罵倒が続いた。

・商品袋詰め・ラッピングサービスが無いことを入口に明記してある店舗で、「なぜ袋詰めしないのか」「老人を労る心が無いのか」「社長を連れてこい」と三時間以上ねばった。

・他店の商品を持ち込んできて不良品だから返金しろと要求。他店の商品だとスタッフが丁寧に説明するもさらに逆上。スタッフに商品を投げつけて退店。

・両替サービスが無いことを入口、レジに明記の店舗で一万円札を両替しろとレジに直行。両替不可であることを説明されると逆上。「なぜ両替しないのか」「両替するまで帰らない」と一時間以上ねばった。

・(上記とは別のユーザー)レジで両替を要求。両替サービスがないと説明を受けると、100円商品を一点、一万円札で購入。これを四回繰り返す。「両替してくれないからこんなゴミを買わされた。こんなものを売っていて恥ずかしくないのか」とレシートと剥がした商品パッケージをスタッフに投げつけて退店。

・女性スタッフに「ねえちゃん、ねえちゃん」とつきまとい、名前を教えろ、携帯番号を教えろ、家はどこなのかと個人情報を聞こうとする。この状況が毎日続く。名札を見て名前を記憶し、閉店後、出口で待ち構え「○○さーん」と大声で呼びながらついてきた。

・家庭ごみを持ち込んできて引き取ってくれと要求。引き取れないと説明されるとレジ前に立ち塞がり、他のユーザーの買い物を妨害しながら罵倒を続けた。

・電池等のリサイクルゴミを持ち込んでくる。引き取れないと説明されると「なぜゴミ箱を店内に置かないのか」「電池を引き取れない理由をわかるように説明しろ」「お客の要求をきけないなら会社の規則を今すぐ変えろ」「従業員なのだから会社の方針を変える義務がある」とアルバイトスタッフを三時間怒鳴り続けた。

・来店のたびに「従業員の目つきが悪い」「態度がなっていない」「女のくせに生意気だ」と目についたスタッフを怒鳴りつけるが一度も商品を購入したことがない。

・店内で財布をなくした、スマホをなくした、クレジットカードをなくした、と訴えてきては、「弁償しろ」「どうしてくれる」と罵倒を続ける。
スタッフは総出で探しまわるも見つからず。
(後日防犯カメラで確認したところ、問題のユーザーが失くしものをしたというエリアにそのユーザーが立ち寄った様子はなし)

・「にらみつけられた」「ばかにされた」とレジアルバイトを怒鳴りつけ、「こっちに来い」とレジから店の奥に連れ出し二時間罵倒を続けた。

・電池は別売りです、と明記されている商品を購入し、動かない、不良品だ、と怒鳴り込んできて、電池は別売りと説明されると、なぜ別売りなのかと激昂。

・不良品を買いたくないから、と陳列されている商品を無断で片端から開封する。開封商品は買い取り規定があると説明を受けると、激昂。「客対応が悪いと言いふらしてやる」と怒鳴り、買い取りを拒否して退店。

・商品を一点購入し、次の日、不良品だったと来店し返金を要求。ラジオ用イヤホンがスマホで使えなかった、とユーザー都合の理由だったため、開封使用商品なので返金はできないと説明されると「金を返せ」と激昂。店長判断で返金したところ、iPhone用コードがAndroidで使えなかった、使用感が思っていたのと違った、等の返金要求が連日一ヶ月程繰り返された。

・マスクなしで来店し、「自分は感染者」と大声で言いながらスタッフにからみ、感染対策のアクリルパーテーションの中に入ってきたりビニールカーテンをまくってスタッフにせまった。

・レジスタッフが釣り銭を渡そうとするとその手をつかんで離さない。

・店の出入口で暴れてゴミを撒き散らした。

・店の出入口の自動ドアに汚物を投げつけた。

・なぜ会計でSuicaが使えないのか怒鳴り続けた。

・セルフレジの使い方がわからず、激昂。「なぜこんなわけのわからないものを使わせるのか」とスタッフに謝罪を要求した。(通常レジもある店舗)

・セルフレジの決済を失敗しエラー音が鳴り、スタッフが駆けつけると「レジの画面がわかりづらい」「高齢者にもわかる画面にしろ」と一時間繰り返した。


このようにカスハラは「クレーム」とは明らかに違います

また、私が直接、目撃や体験はしていない、現場スタッフが体験したというケースでは、女性スタッフに対する迷惑行為や自宅周辺をうろつく、ストーカー行為も増えているようです。
未成年や女性スタッフが本名の名札をつけるリスクが日々増えているのかもしれません。
経営者の方は再考していただけると幸いです。


最近では社会問題となったカスハラ問題。
なぜこんなに増加してしまったのでしょう。

カスハラ増加の原因

・コロナ禍による孤立・孤独感の増大
・先行きの見えない不安感が社会にまん延し、常にストレスと不安を感じている人が増えた
・地域、コミュニティとの断絶
・独居高齢者の増加
・過剰サービスによる過剰期待
等が挙げられていますが、個人的には

人件費削減
も大きな影響を与えていると思います。
コスト削減のために、以前は常駐していた警備員のリストラ、正社員不在の店舗、ワンオペ現場、が本当に増えています。
現場スタッフの人数減少や専門の対応者がいなくなったことで、カスハラ対策では最も避けるべきとされる、ハラスメント行為者とスタッフの一対一の状態が発生してしまいます。

カスハラは育成される!?

とある数人のユーザーさんを見ていて感じたことがあります。
それは――

カスハラは育成される!?

ということです。

Aさん
妻が家を出てから一人暮らし。家事も買い物もしたくないのにしなければならなくなった、食べさせてやったのになぜ出ていったのかわからない、食事の準備が本当にいやだ、と最初の頃は会計時に愚痴るだけでした。
やがて来店回数が増え、買い物をせずにスタッフにからむ時間が増加。
ワンオペ現場だったため、Aさんの話が終わらないうちに別の接客対応が繰り返し入ったところ、Aさんの態度が豹変、罵倒がはじまる。
スタッフは店長の指示通りひたすら謝罪。
それ以降、来店してはささいなことで激昂し、長時間スタッフにからみ、謝罪を要求するカスハラに変貌。現在ではコミュニケーションが完全にとれなくなっています。

Bさん
複数の店舗や百貨店でカスハラ行為を繰り返し一部地域で有名人でした。
大人数のスタッフでカスハラ対応する、理不尽な要求には対応しない、警備員が即対応する、警察に相談する、等各店舗でカスハラ対策を徹底したところ、カスハラ対策をしていない店舗をターゲットにするように。
ターゲットにされた店舗に週四回前後来店しては恫喝脅迫行為を繰り返したため、現場では離職者の連鎖が続いています。

Cさん
スタッフに対する多少の愚痴はあるものの、少しばかり難しいタイプ、という印象だったCさん。
「何か言われたらとにかく、ごもっともです、と、とにかく謝罪し頭を下げること」というオーナーの指示通り、スタッフが対応していたところ、毎日のように来店するようになり、店内にいる時間もどんどん増えていきました。
「お客様は神様だ」「自分を誰だと思っている」「お客のために給料をもらっているのだろう」とスタッフをつかまえては罵るように変貌。
その後は来店してすぐに罵倒がはじまる状態になり、離職者が続いています。

スタッフがユーザーの一方的な言い分を全て肯定し、ひたすら謝罪し続けているうちに、ありふれた困ったさんがモンスターに変化してしまいました。


あるカウンセラーが「依存があるのでは?」と話していました。
ユーザー個人が抱えていた問題、鬱憤を絶対に逆らわないであろう安全な相手に爆発させることで、ある種の承認欲求が満たされ、成功体験にもなってしまう可能性が考えられる、というお話でした。


DVにサイクルがあるように、カスハラにも、
「イライラ、日常の不平不満、孤立感」

「スタッフに感情を爆発させる」

「すっきり」

ふりだしに戻る
という、カスハラ依存といえるサイクルがあるのでは?というご意見でした。

認知のゆがみが深く関わっている可能性が高いため、ただ言うがままに謝罪するのではなく、引くべき一線をきちんと引き、カスハラは重大な人権侵害であり、公序良俗に反する行為なのだ、と認知していただく必要があります。
無条件に謝罪してしまうと、
「スタッフは何をしても良い存在なのだ」
「自分は正しいのだ」
という認知のゆがみをさらに増大させてしまいます

つまり、
「間違った行為を間違っていると明確にする、間違った行為だと認識してもらう、間違いを助長しない」
ということですね。
(いじめ問題と共通点がありますね)

感情を爆発させても、すっきりしたように感じるのは一瞬で、イライラ時期から逃れるために、カスハラ行為を繰り返す生活習慣ができてしまいます。

怒りの爆発は心身を蝕みます。
カスハラユーザーにも、それを受けるスタッフにも、マイナスのサイクルでしかありません。

ユーザーも、従業員も、どちらも守るために、カスハラ対策はこれからますます重要になっていくと思われます。

任天堂のカスタマーハラスメント対応

修理品に関する問い合わせをいただく際に、お客様のご要望を実現するための手段として、社会通念上相当な範囲を超える行為(下記のとおりですが、これに限りません)を行うことはご遠慮ください。これらの行為があったと当社が判断した場合、交換または修理をお断りさせていただく場合がございます。更に、当社が悪質と判断した場合には、警察・弁護士等に連絡のうえ、適切な対処をさせていただきます。

任天堂公式

任天堂はカスハラへの取り組みを公式に表明しました。
会社規定としてしっかりカスハラ対応を行ってくれると、現場のスタッフは心強いですね😊

カスタマーハラスメント対策企業マニュアル

カスタマーハラスメント対策企業マニュアル

カスタマーハラスメント対策リーフレット

カスタマーハラスメント対策リーフレット

顧客等からの著しい迷惑行為の防止対策の推進に係る関係省庁連携会議

カスタマーハラスメント対策啓発ポスター

2月25日版 1枚
3月8日追加版 5枚  がダウンロードできます。

※登場する人物に関して個人が特定されないようにぼかした表現をしています。ご了承ください。


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