"悪い人"はどこへ行った?
昔はもっと正義と悪がはっきりしていたと思う。
ドラマやアニメも誰が悪者で誰を応援したら良いかが分かりやすかった。
悪側も悪としての存在理由も深くは語られず、「魔王だから街を侵略する」くらいのノリだった気がする。
要は生まれ持っての「悪」が存在した。
でも今は「悪」とされている側の背景も描かれるようになり、何故「悪」として存在しているのかという、理由のある悪になった気がする。
しかも、その悪側の目線もめちゃくちゃ共感できるものが多く、些細なきっかけで「悪」とされてしまっていたり、本当にそれは「悪」なのかと疑問を持つこともある。
生まれ持って「悪」ではなく、元は同じ「正義」だったかもしれないと考えてしまう。
でも、すごく、、、すごく複雑な気持ち私はなる。
どちら側も理解できてしまうが故に。
友人同士の喧嘩を見ているように、どちら側にも付かずただ見守るしかない。
これは私が大人になっていろんな立場の人のことも理解できるようになってしまったからなのか?
小さい頃は、倒すべき敵がいたんだよ。明確に。
何も考えず、そいつを吹っ飛ばせばよかった。そうするとスカッとする。
でも今はそれが見えない。
悪い人はどこかへ行ってしまった。
…そもそも悪っていうのはなんなんだろうな。正義ってなんなんだろうな。
ってぐるぐる考え込んでしまう。前はそんなこと考えなくてよかったのに。
「悪がいないと正義のヒーローになれないじゃないか。」って心のどこかで思ってる気がするんだよな。
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