アウェイ遠征の壁は高く険しかった(惨敗記録)前編

サッカーサポーターの観戦計画は、年初にJリーグの日程くんがリーグ戦の日程を決めてそれがリリースされたその瞬間から始まります。

先ずは自分の推しチームの日程を全て記録。
次いで、別リーグでの推しチームや、移籍したけど変わらず応援してる選手のチームの日程をチェック。
推しチームの試合前後で、行けそうな試合をあぶり出していきます。

アウェイ遠征も、サッカーサポーター的には「遠征」という大義名分をキッカケに、周辺であるJリーグの試合が観れないかも先ずチェックします。

仕事や金銭面でのやりくりを考えつつ、行けそうな遠征先を選出。
「飯より宿」だから先ず宿を押さえ、次いで交通手段を調べ、折角行くのだから周辺も観光しよう、美味しいモノを食べようと思いを巡らせる訳です。
SNSで地元名物を探していて現地サポーターさんから教えて頂いたり、既に行って楽しんでおられるブログやレポートを読んで「ココは行っておかないと!」と計画に取り入れたりと、ワクワク度は増すばかり。
楽しい1年が始まっていく……のが今まででした。

コロナ禍になって、この日常が崩れて1年半。
最初はチーム練習も中止され試合も見合わされ、無観客で試合が再開されて。
県を跨いだ移動が制限されていたので、ホームの試合でも県外サポーターの私は行くことがなかなか叶わず、DAZN観戦しながらTwitterでサポーター同士がTLでワイワイ言い合う日々が続きました。

元々選手とサポーターの距離感が異常に近い川崎フロンターレサポーター(以下フロサポ)にとって、この日々はなかなかの修行期間でしたが、チームもオンラインイベントを増やしてくれたり、選手自身がSNSの発信や配信をしてくれたりと、模索しながら過ごしてきました。

私自身は自粛期間中も生活を支える側の仕事であった事と、自宅勤務が難しい業務であった為、電車通勤はずっとしていました。
病気の治療の一環で自己免疫を下げているので、怖さはあったけど出来る最善の策を実行しつつ過ごす毎日。
職を失わずに今日まで来れて、本当にありがたい事だなぁと思います。

さて、そんなコロナ禍もワクチン接種が行き渡り、感染者が減って大きな山を越えた実感を味わえるようになって来て、少しずつ社会生活を取り戻す時期へ来たのかなと思えるようになりました。
緊急事態宣言もあけてアウェイ席が開放され、まだ完全じゃないけど、遠征も可能になってきました。

今年は遠征は無理かなーと思っていたけど、もしかしたら!行けるかも!しれない!
この時点で、フロサポに残された遠征機会は、セレッソ大阪戦とサガン鳥栖戦の2回。
さて、どうする?

私は簡易電動車椅子を使っています。
日常生活に支援はどうしても必要なので、ヘルパーさんに家に来て頂いていますが、歩行については若干伝い歩きなら出来る程度なので、短期の旅なら1人でなんとかなります。
実際国内の離島まで行っています。
が、それはあくまで入念な下調べと計画があってのこと。
無計画1人旅はアクシデントも醍醐味で、それを楽しめてこそだと思いますが、電動車椅子利用だったら、出来るだけアクシデントは避けたい。
あらゆるアクシデントを想定し対策を考えた上で、旅を楽しみたい。
電動車椅子で飛行機も勿論利用できますが、大きいバッテリーを積んでいるし、自前の車椅子は預けて乗り換えないといけないので、まぁまぁ段取りが面倒くさいんです。
色んな想定と対策を色々考えるには、サガン鳥栖戦は時間がなさすぎる。

でも、セレッソ大阪戦だったら……。
大阪なら新幹線だし。
丁度、大阪枚方の「車屋」さんという、とてもノリの良いお弁当屋さんが、フロンターレの車屋選手の存在に気付き、Twitterで反応して下さっているのに気付いて楽しくやり取りしているうちに、
「このお弁当屋さんのお弁当を食べたい」
「このお弁当屋さんに行ってみたい」
と思うようにもなっていたのも、猛烈な「行きたい」追風になりました。

取り敢えず宿を調べてみることに。
セレッソ大阪のホーム戦なら、健常だった頃に長居には行った事があり、ヨドコウ桜スタジアムは同じ長居公園内にあるらしい。
車椅子だと電車の乗換回数が出来るだけ少ない方が楽なので、それも勘案して探す事になります。
ホテルは出入口と施設内通路に段差がなく、部屋の中に畳んだ車椅子が入れられるスペースがあって充電出来れば私には充分です。
室内にトイレはあって欲しいけど、ユニットバスでも頑張れば大丈夫。
狭いユニットバスの時は、お風呂は一泊なら我慢しちゃう事が多いけどっていう感じ。

出来れば安い方が良いけど、行き慣れてないから大阪の基準がよく分からない。
取り敢えず、Jリーグスポンサーのホテルを検索してみました。
へー、バリアフリールームもあるんだ?
で、私が利用したい範囲のホテルで調べると、バリアフリールームはなかったけど、シングルルームでも充分なんとかなる広さだったし、お値段も手頃。
よし、予約。
「飯より宿」
宿はおさえた!後は観戦チケットじゃぁ!
(新幹線の乗車予約についてはまた、別の記事でいつか書きます)
翌々日、ホテルから電話が。
「あの、コメントに車椅子で伺いますと記載がございましたが」
「ハイ」
「もしよろしかったら、トイレとシャワーがフルフラットになっているお部屋がございまして、そちらは如何かなと思いまして」
「バリアフリーフリールームの設定はなかったですよね?」
「浴槽がないのでフルバリアフリーではないという事でして。もし宜しければ」
「是非お願いします!」

いやもう凄い追い風!
こんなことある?っていう位の追い風!
チケット取れたらいいなぁ!
と2年ぶりの遠征に思いを馳せていたのです。

後編に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?