場所はアイデンティティに。
まだまだ第二波、第三波が懸念される中、以前のように・・・とはいかないが「新しい生活様式」とともに徐々に経済活動が徐々に再開し始めた。
私は新型コロナウイルスが現れる少し前に長野県に拠点を増やし、東京との二拠点生活を始めた。リモートでの働き方を前向きに取り入れてる人はごく僅かで、自分にも相手にも負担のない範囲で自分の働き方にフィットする二拠点生活を模索していたところだった。
それが数ヶ月後には見えない敵によって一斉に世界中の人たちの行動が制限され、ものすごいスピードでリモートワークが普及した。
今まで言い出しにくかったリモートでのミーティングは当たり前になり、取材や収録もリモート、友達や家族とも気軽にテレビ電話をするようになった。みんなが一斉に時間とお金をかけずにコミュニケーションが取れる手段を身につけた。というか、そうせざるを得なくなったのだ。
多くの人たちが通勤のストレスから解放され、実はやらなくてよかった作業に時間をかけていたことに気付き、物事の優先順位はガラッと変わった。知らず知らずのうちに無駄な時間、無駄な作業、無駄な消費をしてしまっていたことにも気付いたし、以前まで、インプットは中、アウトプットは外でするものだったが、自粛期間を経てだんだんとインプットは外で、アウトプットは中でするものになってきた。
これからの場所の価値
このコロナ禍の中、自分にとっての暮らし方や働き方を改めて見つめ直した人は多いんじゃないだろうか。
緊急事態宣言や休業要請が解除され、世の中は徐々に通常モード?に戻ろうとしているが、もちろん以前のように元通りにはならないし、今後の働き方や学び方はオンラインとオフラインをより上手く使いわけていくことになる。その中で与えられた仕事を淡々とこなす人よりも、自ら仕事を生み出せる人が確実に強い。
都市部ではオフィスを消滅させ今後も完全にリモートワークに移行する企業が少しずつ増えてきたり、「老後は自然に囲まれて暮らしたい!」と思ってた人が「老後まで待たずとも今からでもできるじゃん!」と気づき移住を始める人が増えている。
職場の選び方は、リモートでの仕事が増えると一人で作業する時間が増え、「人が好き」「場所が好き」の重要性が低下し、作業自体が好きと思える仕事がやりがいや満足度に繋がっていくかもしれない。
移動時間をかけなくても、交通費をかけなくても、オンラインですぐに繋がれてミーティングができるようになった今、どこに住むか、何をするか、誰とやるか、と言う意思決定はより重要になり、その意思決定は個人のアイデンティティとなっていくんだと思う。
そうなると、場所を選ぶ意味や、その人に直接会う意味の価値はきっとどんどん上がっていく。
その中でも私は「武藤千春に会いたい」「武藤千春がいるところに行ってみたい」と思ってもらえるような人でありたいと自粛期間に改めて感じた。今後も自分の心と身体にフィットする場所を選んだり、暮らし方を選んだり、働き方を選んだり、時間の使い方を選んだり。ひとつひとつの意思決定をより大切にしていこうと思う。
武藤千春
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