短歌 2023.8~10
SNSで偶然出会った短歌に、心底驚きました。
教科書や漫画の中でしか知らなかった短歌。
「こんな風に作ってもいいんだ」と感銘を受けました。
自分でも作ってみたいな、と思ったのが8月。
見よう見まねで、短歌っぽいもの、川柳みたいなもの…
文字たちが集まって「モドキ」をなんとか形作ろうとしている。
これはそんな一つの記録です。
無知で稚拙。それでも、あの時の私にしか作れない「モドキ」たち。
良かったら見ていってください。
※Instagramのストーリーに「短歌日記」として掲載していたものを中心に、未発表のものも含みます。
■8月
夜空映すサイダー星の舌触り
蜜蜂のノック フロントガラス宛コスモスの花粉のお届けです
我は蝶 高速道に散る無数の黄色
君は金糸雀 世界の崩落さえオペラ
ちいさくてかわいいのなら純粋に愛でるだけではだめなのですか
散歩するふわふわな犬と目があって幸せに撫でられた気がした
■9月
トンネルの向こうは虹が降り注ぎ君をめがけて雨の橋が立つ
『ご注意ください』消えた踏切をカーナビは今日も語り継ぐ
古の民話の峠に誘いて迷い込ませたるグーグルマップ
たった数十メートルの二車線 私を追い越せるのは私だけ
深夜2時「もういいよー」と鹿が呼ぶ 行かなくては鬼が私なら
爪先で引っ掻いたような三日月ぷつりと夜が滲み滴る
無灯火でひた走る君ウインカー右こんな恋があったっていい
■10月
晩秋の山々重なる影深く雲落す場所狙う青空
コーヒーをチンする朝はまた10秒冬へ冬へと近づいていく
ジーンズが冷たすぎるのでスカートを履きました君のためとかじゃない
日本には居ないハチドリ見た母とディベート最終手段はネット
夜ふかしを「ヨヒカリ」と言っていた祖母は韓国ドラマと炬燵に眠る
液晶に切り取られたるオリオン座何度も同じ流れ星を観る
来世では地球以外の惑星で「僕」が似合う女の子を演る
君にでき私にできない事がある一緒にいられる証明みたい
勝負の日 雲海が呼ぶ超えてみせろと
息をするように考え生み出して同じ誰かに生かされている
舞い落ちる最初の木の葉ひとひらが今年の秋の色を決めている
夕闇に飲まれて初めて気がついた私は銀河へ続く鉄橋
広く青くそこにあるただそれだけで明日へ踏み出す勇気くれる空
夕闇に浮かぶ稜線くっきりと今日と未来の境目になれ
■パソコンルーム
君のこと私で型抜きしたいのにパスファインダーがうまくできない
私にも塗りと線があったならアピアランス、パスのオフセット
ステップ数13 この毎日をクリック、クリック
リミットは17時 あと少しだけ夕闇のフリーグラデーション
ガイド線引ける分だけ引っ張ったどんな人生作っていこうか