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【古民家鈴村邸】古民家再生日記vol.1

ちはるばぁば、奮闘の道 “感謝里”

「ちはるばぁばの部屋」開設のきっかけは、私の実家である「古民家鈴村邸」の思い出の品々や遺品などの片付けに、『ふんぎりがつかない』『断捨離できない』と、もやもやした私の気持ちを整理したいと思ったことが始まりでした。 生まれ育った実家の品々の整理には、心の整理も必要で、私にとっては、”終活”の始まりでした。「断捨離しては、途中であきらめる… 実家の整理には、時間も、体力も、特に”心の力”が必要」と、とある記事に投稿した人の言葉もあるように、品物一つとっても、思い出が沢山詰まったものであり、これまでの自分史を振り返り、今まで生きてきた自分と向き合う時間でもある。『それはそれはエネルギーが要るはず…。』と共感したことを思い出します。 「古民家鈴村邸」の周辺整理から始まり、新たな居場所づくりをしようとしている今、『”終活”は、人生のゴールに向けて、その人らしく、心豊かに生きていく。その過程なのかもしれない…』と思うようになりました。

終活を考える中で、「断捨離」ならぬ「感謝離」という言葉に出会いました。2019年5月『朝日新聞』に寄せた1通の投稿から生まれた、河崎啓一さん(90)が妻を亡くした後のご自身を綴った『感謝離 ずっと一緒に』(双葉社)。「ちはるばぁばの部屋」を考えている時、ふと同じ古民家内で珈琲店を開業する浅川さんが、「「感謝離」の「離」は「里」でもいいですね。」とぽつり。「ちはるばぁばの部屋」は私の実家で、「里=故郷」に感謝する終活、自分の生きてきた軌跡を懐古する場所であっても良い。そんなやりとりから「感謝里」が生まれました!

私の「感謝里」の記録を日記として綴り、「古民家鈴村邸」の歴史とともに、伝えたいと思います。


最初の“感謝里”

古い店舗の解体

ちはるばぁばが生まれ育ち、ちはるばぁばのおじいちゃん、おばあちゃん、そして父が亡くなった後、母が30数年晩年まで一人で大事に過ごし、守った古民家。以前古民家の前にあった店舗は、雨漏りがひどく倒壊の危険があったため、現在は解体しました。今思えば、これが最初の感謝里。
昔は古民家が人目から隠れていましたが、店舗が解体されて、隠れ家のようになっていた「古民家鈴村邸」が現れました!

昔:古民家の前にあった店舗 道路正面から撮影
今:店舗解体後の「古民家鈴村邸」

まずは片付けから、作業開始

店舗解体に至るまでに、容易ではない片付けがありました。
店舗の中の粗大ごみ、昔ながらの布団類、捨てられずに溜まった日用品。
出てくる、出てくる…古民家の方にも、衣類、シーツ、タオルなどなど。
生前私の母が最後まで使っていたベッドも片付き、押し入れの中も一通り整理しました。片付けは末娘と大奮闘!娘に感謝!!

店舗に残った粗大ごみ
ふとん、シーツ、まくらなどなど
大量の梱包箱、何が入っていたのだろう…
ふ~!やっと少し片付いた!

片付けながら、古民家の魅力を再発見!

一つ一つ品物を整理して、家中掃除をしていく中で、日常の風景として馴染んでいた物たちの魅力を再発見したり、懐かしさを感じたりする瞬間がありました。

こういう表札も昔ながら
玄関のペンダント照明
よく見ると障子も凝ってる

台所は昭和20年台のもの。当時にしてはモダンなタイプだったと思います。白の大きなタイルも今では珍しいとか。出窓やガラス張りの調理用具置き場も昔ながらの雰囲気がありつつ、当時ではモダンなものでした。

台所は、昭和20年代もの
タイル調の洗面台
昔ながらの男子便所とレトロな手洗い器
青空に鬼瓦の「鈴村」と「煙突」
鈴村邸のシンボルマークかな?
黒漆喰の外壁と煙突の組み合わせが特徴的

いよいよ店舗を解体

室内と建物周辺の片付けもひと段落し、雨漏りひどく、倒壊危険度の高い店舗部分の解体が、いよいよ始まりました!

解体し始めてからはあっという間。

解体途中の外壁
解体中の様子
何とかきれいになりました。

「こんなに“出世”してるんなら、もう“ご栄転”だな。お疲れさまでした。」

「感謝離 ずっと一緒に」 著:河崎啓一 より一部引用

河崎さんの著書「感謝離 ずっと一緒に」の中に、奥様の名言として上記の表現が使われています。使い古してくたびれてきたものを“出世”、壊れるなどして役目を終えたものを”ご栄転”として、最後には感謝して手離す。
まさに今回の片付け・店舗解体も、出世とご栄転!
こんなにボロボロになるまで、長い間、お疲れさまでした。ありがとう!

古民家再生に向けて始動!

ところが、まだ問題はあった!!

店舗を解体した跡地のコンクリートの下にこんな地下室が~~~!!
地下室の存在さえ知らなかった私たち。工事中、事故にならなくて本当に良かった…昔、貯蔵庫として使っていたのではないかと推測されます。
実は、古民家鈴村邸の床下にも同じような貯蔵庫が発見され…
この話はまた後の機会に😅

地下室の写真

今回は砂利で埋め立てて無事、工事完了!

埋め立て後の様子

塀を増設

なんとか諸々収まり、防犯も兼ねて道沿いに塀を増設。
今後の利用方法も検討しながら、クロス不動産投資顧問の後藤さんに相談し、今後の具体的なことを考え始めました。塀には看板も設置し、「古民家利活用案」を募集させていただいた期間もありました。

リノベーション計画への準備

片付けや解体工事、塀の新設工事を無事に終え、いよいよ、「古民家鈴村邸」の再生に向けて、いろいろなことを計画し始めました。(株)SHOEI大原さんにもご協力いただき、実際に活用していく方法を詳細に検討し始めました!

2023年10月には、「古民家を地域の居場所づくりに」という私の思いに賛同してくれた、珈琲店店主浅川さん、県立大学の教授とそのゼミ生の皆さんに、それぞれお部屋をお貸しすることになりました。

6畳の和室は「ちはるばぁばの部屋」になる予定
珈琲店の喫茶スペース予定の4畳半
懐かしの五右衛門風呂も喫茶スペースに
玄関横の和室は県立大学生のゼミ活動スペース予定

たくさんのアイデアと協力で着々と工事が進んで、もうそろそろ完成予定です!楽しみ!!
リノベーション計画の詳細は、また次回書きたいと思います!

最後までお読みいただき、ありがとうございます😊



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