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社会性障害は鰓弓神経不全だった〜発達障害治療革命より④~

この投稿は、脳神経内科医である田中伸明先生の著書『発達障害治療革命!』をかみ砕いてまとめたものです。
クスリ以外で発達障害を治すヒントが書かれています
よかったらシリーズ①からお読みください

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なぜ魚類脳(扁桃体)の過活動が
コミュニケーションや社会性障害に通じるのか?

今回は“鰓弓神経”について紐解きます!

鰓弓神経サイキュウ神経と読みます
『鰓』は魚のエラのことを示します

発達障害やうつ病の方に多いのが
鰓弓神経不全症候群


鰓弓神経不全症候群とは?

鰓弓神経がうまく機能しないことで、
・顔の表情が乏しい
・上手く笑えない
・高音が聞こえにくい
・声が出ない

など学習障害やコミュニケーション障害と言われるような症状です

それは生命の進化をたどっていくとその理由がみえてきます


鰓弓神経っていったい何なの?

生命が魚類だったとき水中で呼吸するために鰓が必要でした

しかし、陸に上がると鰓は不要となり
いらなくなった鰓は進化の過程で顔と心肺に分かれていきました


妊娠5週目くらいの胎児は魚のような顔をしています
週数が進むと今度は爬虫類のような顔になり、最後人の顔になります

余談ですが、
妊娠2か月の頃は
つわりが酷かったり流産しやすいとき
魚が陸に上がり鰓呼吸から肺呼吸に進化するのが大変だったように

お腹のなかの胎児もこのころが一番大変
生命の進化とお腹のなかのあかちゃんの成長もリンクしているのですね!


下の図のように
妊娠5週の頃ちょうど魚の鰓のようだった部分は

お腹のなかで胎児が育つにつれて、
顔や心肺へと進化して
鰓弓神経郡となっていくのです


コミュニケーションに関係する鰓弓神経郡

鰓弓神経郡の分類

《三叉神経》
顔面の感覚、食べものの咀嚼、高音の聴く鼓膜帳筋

《顔面神経》
困る、笑顔など顔の表情

《舌咽神経》
飲み込み、声を出す

《迷走神経》
心臓や呼吸を穏やかに、高音を出すための声帯の緊張

《副神経》
うなずき、否定などの首の動き 
怒りや喜びを表す肩の上下

このように、鰓弓神経郡に属する神経は
人とコミュニケーションを取ったり、社会活動をしていくにはとっても大切な神経です

ポリヴェーガル理論でいうと
鰓弓神経群=腹側迷走神経


ポリヴェーガル理論についてはこちら↓


鰓弓神経不全と自律神経の関係

自律神経は3つに分かれます
⚫︎交感神経①
⚫︎副交感神経
 -背側迷走神経②
 -腹側迷走神経③

本来なら、この3つの神経がバランスよく作動しなければならないのですが

扁桃体が過活動を起こしているとき
自律神経のバランスをみると

①交感神経(アクセル)
生きるために逃げるか戦うか

②背側迷走神経(サイドブレーキ)
フリーズ、倒れる、引きこもり

のどちらかになり、
③腹側迷走神経(ブレーキ)が効きにくい状態に!

どういうことかというと、
下の図のように

①交感神経(闘争・逃走)・・黄色の部分
めちゃくちゃストレスを感じながら学校に行く、勉強する、仕事する
ケンカ、暴力、教室から飛び出す

②背側迷走神経(シャットダウン)・・赤色の部分
急に倒れる、気を失う、不登校、引きこもり

赤色〜線のところで生きている感じ!
車でいうと、ブレーキが壊れて
アクセルとサイドブレーキだけで運転している感じ

恐いですよね‼︎

ブレーキの役目
③腹側迷走神経=鰓弓神経の働き

笑顔、高音も聴こえる、他人と良好なコミュニケーションが取れる

などができなくなってしまうのです

本来なら
①交感神経
②背側迷走神経
③腹側迷走神経がバランスよく
下図の緑色の〜線にいるのが理想的で生きやすいのです

この3つの神経の働きのお話し
ポリヴェーガル理論はわかりやすく動画解説もしているので
よかったらご覧ください(有料記事です)

つまり、

過活動している扁桃体を抑制して腹側迷走神経がちゃんと働くようにする

=鰓弓神経不全の解消を目指すのが

発達障害や慢性的なうつ病の根本治療となるのです

それでは、
次回は更に核心に迫ります
なぜ、扁桃体が過活動を起こしてしまうのか
活動を抑制するにはどうすればいいか
のお話です

この投稿のシリーズは田中先生の
『発達障害治療革命!脳神経内科医からの提言』
こちらの本の内容を噛み砕いてお伝えしています
興味ある方はご購入下さい

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茨城県ひたちなか市で夫婦で統合的な見方による治療院をしています 
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