来るならおはぎを持ってこいってさ
公募のため、サイト掲載作品を一部修正の上転載しています。
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「はんごろしにする? みなごろしにする?」
おっとりとした風情の小面が、麺棒を片手ににこりと笑う。
ちょいとモノのわかった奴なら、「ああ、米のつき方か」と合点するだろう。小面の面を付けた女が浅黄の割烹着をまとい、膝下にその裾をひらつかせているなら尚更だ。
「いつも通りにしてくれ」
「また半殺し? つまんなーい」
「いつも通り、だ」
はーい、と間延びした返答はそのまま乱闘の気勢に変わる。
一打、二打、続けざま蹴りで三、四。
ニンポー? 違ェよただの体術だ。
小面は既に鬼女へ変わり、体力だけのちんぴらを麺棒ひとつでノしていく。
――ま、そもそもこんな場末の地下駐車場で、麺棒携えてる時点でお察しってな。ちなみに割烹着は血避け用。白じゃなく浅黄なのは、色を目立たせないためだとさ。
『ぐっ』
『か、』
『こっぱぁッ……!』
どっかのアニメモブのごとく、成人人体が群れで舞う。
今日も見事に追っ手の四肢関節を砕き、肋骨をいくつか窪ませて、生成は「できあがり」と笑った。
「じゃ行くぞ」
「はーい。今日のははんごろしにする? みなごろしにする?」
「粒餡ならなんでもいい」
「もうっ、相方さんの希望は君しかわかんないんだからね!」
「へーへー」
わかりやすく怒る小面に適当に返しながら、しおれた菊を後部座席にのせる。
今度の月命日も、喧しいことになりそうだった。
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人工知能が嬉々として人類を滅ぼす準備を始めたぞ! なぜだ?!
ひと駅もしないで読めるS(少し)F(不思議な)掌編集です。
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