140字小説10篇 #1
「夫のどこが好きなの?」佳奈の会話はいつもこうだ。行動には何にでも理由が必要だと考えている。自らの美しさが原因で男が寄ってくる経験を積み重ねてきた佳奈。感覚で男を選ぶきっかけを得られないまま歳を重ねてきたのだ。「どこが好きか気にしているうちは、結婚は無理そうね」優美な唇が歪んだ。
『愛は無条件』
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歴史とは夜型と朝型の闘争である。今こそ苦しみ続ける同胞を救う時。人類を進歩させる発見は夜に生まれる。だのに、社会は夜にただ寝ることを求める。愚かな。朝型は恐れている。夜型の