塞下の曲――李白の詩の詩
塞下の曲
白馬がいる。黄金の塞がある。
雲のごとく舞い上がった砂けむりに
夢のような想像を繞らせている。
(こうして美しい想像を繞らせてみないで)
どうして堪える事ができようか、
こんなに苦しい愁いの季節を。
遠く辺境の地に暮らす我が子を憶えば、
蛍の光は秋の窓辺へ飛んで満ちあふれ、
月が霜のかかる寝屋の上を
ゆっくりと進んでいるのも感じられてくる。
(だが夜が明けてみると、)
梧桐の葉は破れ散っていて、
沙棠の枝が、物寂しい音をさせて
風に吹かれていた。
私はいつでも独り