味読感想6【塩バターサツマイモ、塩辛添え】:0007
いきなりですが、皆さんは生活感のある人と聞いてどういう人間を想像しますか?改めて「#とは」と聞くと、結構難しい質問ですね。自分も書き出しにこんな話題を出したものの「…えーと?」と筆が止まりました。
おいしいご飯が作れる人とか、掃除するとき洗剤のアルカリとか酸性とかが分かる人だとか‥、具体的にイメージをあげてもふわっとしちゃうんだけど、家事をこなす人ってだけじゃなくて。どうにか思いついたのは、おいしいものを食べた時「おいしい」って言えたり、掃除したときにピカピカになったところを見てふふんって鼻が高くなれる人、みたいな。
何気ない日常って、仕事と違って評価の伴う結果にあんまり繋がらないから、さらっと流して別のことを考えながらこなしてしまえる。でも、ご飯と寝る場所でしっかり立ち止まって、ご飯の匂いを嗅いだり、布団の中で眠る前にうとうとできたりしている人は、どことなく柔らかい気配がある。
生活感のある人って聞くと、自分はほわっと炊き立てのご飯の匂いがするみたいな温かみを想像するんですね。
ジョー・力一の秋満載ボイス2019は何気ない日常がテーマになっていて、生活感のある姿が声に乗ってる感じです。
一見風貌が地下賭博のディーラーでもやってそうな怪しいピエロなんですが、彼がバーチャルライバーになった理由がそもそもピエロのお仕事がなく進退窮まり、バーチャルに活路を見出したということなので、実は彼は節約生活と常に隣り合わせな庶民派だったりします。
【あらすじ】
「あなた」さんが持ってきたおいもに大喜びするジョー・力一。どうせなら二人で食べようと、お芋の調理法を考えます。
力一「もうスイッチ押して待っているだけで自動的にうまいからねあれ。
洒落っ気はないけどいいんですよ~、ね?」
炊飯器でふかし芋を作ろうと計画を立てるものの、力一の家には炊飯器がないことに気づく・・。
オフィシャルストアにて〜11/8まで販売しています。
※ここから下は各トラック毎、ネタバレありの感想です。
track2~5は、おいもを蒸かして食べる、というただそれだけを中心にゆったりした時間でお話が展開されていく。
ふかし芋がどうしても食べたいがために、炊飯器を買いに行く二人。値段やオプションに一喜一憂したりする。蒸かし芋一回に限らず、その後ご飯を炊くまでを考えるっていう辺り、リアルな心境があります。家電って中々簡単には買い替えられないからね。
ふかしている間に録っておいたテレビ(名前は出てこなかったので、バラエティとかコメディ映画とか、個々の想像に任されます)を見て笑ったり、お芋がおいしく出来た時にはしゃいだり。
結構このピエロの笑い声が自分は好きで、よくつられて一緒に笑っちゃうんですよね。ここでは演技だけど、雑談枠でもよく笑っている感じのままなので、聞いてて元気出るんですよ。
物語は一貫して陽の気のまま、温かい食べものを両手で持ってじんじん伝わる温度を掌で受け止めていくような温かみがある。
おうちデートって感じであるけど「あなた」さんとの距離感は、そこに当たり前にいるけどぴったりくっつくのでない15cmくらい間を保っている。
気兼ねなく生活するまであと1~2歩くらい。
このボイスではバターは出てきませんでしたが、この程よい二人の距離感や、生活を愛する感じがバターとサツマイモの甘じょっぱさのようです。
段々と熱でゆるゆるバターが溶けて、芋の黄色くてほくほくしたとこに染み込んでいくような、このボイスが終わっても二人は続いていくし、ちょっとずつ変化するのかなと想像すると楽しい。
(秋でおいもと言っていたので自分はサツマイモと終始思い込み、感想の食べ物もそこに当てはめてみましたが、ジャガイモで想像してみるのも美味しいかもしれません。)
track6はボーナストラック的な、ピエロの単独公演上映前のアナウンス。音の出るもの、飲食、喫煙など定番の注意をいい声で語る。でも聞いているうちにヘンテコな具合になっていく。
ねっとり甘いサツマイモ(+ジャガイモ)には、塩辛を添えて食べたりするのですが、味わいが変わるけどマッチしている感じ。
※芋に塩辛添えて食べるのって身近に知ってる人がいなくてローカルなのかとも思ったんですけど、美味しいんで、もし興味があったら挑戦してみてください。
自由研究をしないと死んでしまう性分なので、不思議だな・面白いな、と思ったことに使わせていただきます。よろしくお願いします。