11年前の今日、私は幼稚園を卒園したばかりだった。 そして小学校のある街へと引っ越す当日だった。 狭い灰色のアパートをさっぱりひきはらって、新しい家に住み始める日だった。 新しい家は真っ白な壁と深い緑の屋根の新築で、私は幼いながらに新しい家での生活にわくわくしていた。 曇った空の下。パパがアパートの鍵を大家さんに返して、家族みんなで車に乗った。新しい家には車で40分ぐらいかかる。 なぁ、ママ、私小学生になるんやで。 せやなぁ、いっぱい勉強してよ。 うん、
さらし粉と硫酸を混ぜる。 水と塩素と塩化カルシウムができる。 これは塩素の製法。こんなこと覚えて何になるんだろう。 化学の教科書を睨む高校2年2月の夜1時。 今まで勉強をサボっていたわけではない。 毎日少しずつ、教科書を見ながら勉強している。 塩素の製法なんて今週は毎日見て、ずっと覚えようとしているのに。 昔から、どうにも暗記することが苦手だった。 鎌倉時代と室町時代がどっちが先なのか、ずっと覚えられなかった。 テレビは番組表が無いとどのチャンネルを見たらい
私はことばが好き 誰かと話す時 目の前の風景をことばで切りとって ラッピングして渡し合いっこしてる気分になる 私はことばが好き 「あとちょっと」と言われたら 私は長い針が3回動くぐらい待つけれど 妹は長い針が1回動くぐらいしか待たない 同じ音の羅列でもみんな違う使い方をする 私はことばが好き 書くのも読むのも 話すのも聞くのも ことばがあるからこそ出来る 誰かと繋がるための方法 私はことばが好き だからもっとことばの海で泳ぎたい でもことばは伝