映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(7/5鑑賞)
なんて忘れがたい、かけがえのないクリスマスだろう。
舞台は1970年アメリカ、全寮制の名門校。クリスマス休暇に帰れない生徒と、嫌われ者の古代史教師、息子を戦争で亡くした料理長が、約二週間を共に過ごす。
反発や衝突はしょっちゅう。特に生徒は望んで残ったわけではなく、抱える不満は大きい。
けれど徐々に、彼らは繋がっていく。各々の抱える事情や心情を窺い知り、“我々だけの話”を交わし、背中を押す。
彼らを見ていて、時々ぶつかるのは傍にいるからだと、向かい合っているからだと感じたんです。
電話一本で息子を置いてけぼりにし、決まりを破ったことをただ咎める親と。休暇を彼と過ごし、ルール違反と知りつつ望みを叶えようとした教師と。
生徒により近い存在は誰か。
休暇が明け、日常に戻る学校。でも休暇を共に越えた三人とっては、新たな始まりでもあって。
愛おしさが募る作品です。
映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』90秒予告