映画『梟ーフクロウー』(2/10鑑賞)
眼を閉じさせまいとする展開の数々に圧倒された。
1645年、朝鮮王朝。王の息子が不審な死を遂げた。現場に居合わせ“目撃”してしまったのは、盲目の鍼師だった――誰が敵味方か分からぬ、思惑と策略が渦巻く闇の中、彼はいかに立ち回るのか。
どうせ見えぬと利用されたが故に真相を知る一方、見えぬせいで目撃者としては信用されない。ただ聴覚は鋭いし、実は隠していることがある。
むしろ問題なのは、“見ぬフリ聞かぬフリ”が宮廷での常識だということ。彼が怒りを買えば、残してきた弟まで危ういかもしれない。
……けれども。
みずから目を閉じてしまっていいのか?
覚悟を決めた彼が夜闇を忍び、駆ける様にはとても惹きつけられるんです。そこには宮廷の巨大な闇が潜んでもいる。次々と覆され先の読めぬ展開は、鋭い緊迫感に満ち、まばたきも躊躇うほど見逃せないものだった。
目を開き、しかと見よと訴える作品でした。
映画『梟―フクロウ―』本予告