映画『熱烈』(9/8鑑賞)
沸き立つ熱気に心身が震えた。
主人公のチェンは、母の店や洗車、イベントパフォーマンス等で忙しく働きながら、ひとりブレイキンに打ち込む青年。そんな彼にプロチーム「感嘆符!」のコーチから、中心メンバー・ケビンの“代役”をオファーされる。
この“代役”はあくまで練習時だけで、本番は出られない。それでもケビンのソロパートすら習得しようと熱心に取り組み、メンバーが教える技を吸収してゆくチェンは、次第に認められていく。
一方のケビンは各国のトップダンサーを招きチームを結成する一方、「感嘆符!」へは支援を打ち切ったり、反対にチェンを下ろす条件で提案を持ちかけたりと、何かと立ちはだかる。
そんな強大な相手にチェンが……練習場を手放しても彼と踊ることを選んだチームが、立ち向かってゆく姿はとても見ごたえがありました。
両チームが対決する場面の熱はすさまじく、会場ばかりか映画の観客をも呑みこむほど。
チェンには見る者を心ごと身体ごと惹きつける吸引力があったんです。その熱に、世界に、参加しているような気持ちにさせる。
そして託したくなる魅力もあった。様々な事情でブレイキンのダンサーから退いた者も、その道に進まなかった者も、願いや想いを込めたくなる何かが。
まさに熱烈な映画。
『熱烈』本予告