映画『ひみつのなっちゃん。』(1/7鑑賞)
笑顔とあたたかさをもたらしてくれる作品でした。
新宿二丁目で食事処を営むなっちゃんが死んだ。ドラァグクイーン仲間の三人は、実家での葬儀のため岐阜県へ。なっちゃんの秘密を守るべく、普通の男性らしく装うと決めたけれど……。
賑やかな三人の旅路は、とても楽しいんですよ。トラブルに見舞われることも、衝突することもある。でも笑いに満ちていて、なっちゃんへの想いや思い出にはあたたかさがある。
なっちゃんのことは、写真や話で窺えるだけ。でも周りにもたらすものの大きい、愛し、愛された人だったと思うんです。
なっちゃんの口癖「笑いなさいよ!」を、作品全体から感じるようでもありました。
そして、お母さんには敵わないなとも思った。
岐阜へ向かう三人が、まさに三者三様だったのも印象的でした。
素の振る舞いで経理の仕事を行うけれど、ステージに復帰できていないバージン。
親にバレたことで抑圧され続け、反動が出たと語るモリリン。
すっぴんでも声を掛けられる有名人であり、お決まりフレーズで応えるズブ子。
各々の悩みや傷が旅の中でどうなっていくか――とくに人前で踊りを披露できずにいるバージンが何を思い、どう変わっていくかは、魅せられるところなんですよ。
主題歌がまた強く引きこまれる、印象に残る一曲だったんです。
渋谷すばるさんが手掛ける「ないしょダンス」。伸びやかな声が心地よくて、パワフルな音が格好よくて、好き。
(予告編の半ば[https://youtu.be/1_F12u14DIw?t=29]くらいから流れています)
映画『ひみつのなっちゃん。』 予告