プリセプティへの関わりでおすすめしたい習慣①自立せかされて困ってる編
10月になりましたね。
新人看護師が4月に入職してから半年がたちました。
プリセプターの皆さん、プリセプティの様子はどうでしょうか?
看護技術の習得状況やアセスメント能力、スタッフや患者さんとのコミュニケーション能力が少しずつ培われてくる時期ではないかと思います。
この時期ならではの悩みや葛藤も増えてきますよね。
師長や上司から自立を急かされるのに、まだ自立には遠く及ばないほど不安な点が多い
同僚からプリセプティについて苦情が来る
プリセプティから先輩看護師といい関係が築けないと相談が来る
もはや、辞めたいと言われなんと答えていいかわからなくなる
勤務が合わないせいで、そもそも話なんてできない
これらのお悩みは、本当に「プリセプターあるある」と言っても過言ではないですよね!
わたし自身、現在進行形で同じような状況に身を置いています。
しかし、プリセプティとの関わり方や少しの工夫で、こうした悩みや葛藤をそのままにしておくことなく、前に進めることができます。
わたしなりに意識し習慣化したことを共有させていただきます。
自立を急かされて悩んだ時は、プリセプティの現在地を知る
「新人のAさん、もう10月だしそろそろ一人立ちさせたいんだけど、どうなの?」
「夜勤できるスタッフが少ないから、夜勤も自立にしたいの」
なんて言われた時、どのように対処するか。
まずは、あなたのプリセプティがいる現在地をあらためて確認します。
病院ごとに取り決めされている看護技術のチェックシートなどがあれば活用し、なければ所属病棟でよくある処置ケアや絶対習得してほしい看護技術を箇条書気にして書き出してみましょう。
用意したシートでプリセプティに自己評価をしてもらってから、その評価が妥当であるかを判断します。
判断基準としては、
その技術の目的や手順を理解しているか
薬剤を使用するものであれば薬効や投与方法、副作用を理解しているか
起こりうるトラブル、対処方法を理解しているか
この3つをまずは確かめてみます。
問いかけて、はっきりとした返答がない時=自信がない、勉強不足ということになりますね。
それを全ての項目で繰り返していくと、結果的に「自立できること」「今ここが足りなくて自立できないこと」がはっきりと表れてきます。
質問し確かめることの繰り返しになるので根気がいる作業ではありますが、これがすべての土台になるので大事だと思っています。
つぎに、「今ここが足りなくて自立できないこと」について、具体的に今後どのように自立へもっていくか話し合います。
自己学習が足りないのか、実践回数が足りないのか。いつまでにやるのか。
この時も、「○日までにやって見せてね!」と一方的に伝えるのではなく、具体的な学習計画を立てて何日間必要なのかを二人で確かめること。
プリセプティとの合意を得てから進めることできちんとしたお約束ができ、「結局時間がなくてできませんでした〜(涙)」みたいなことが減る気がしています。
全てのプリセプターが悩むと言って過言ではない「自立のタイミングわからない問題」
これも、基本的にはプリセプティとの合意を持って決めるのが良いと思います。
そして、はじめから全ての業務を自立にすることはおすすめできません。
なぜかというと、いきなり全ての業務が自立になることはプリセプティにとって過度のプレッシャーになりえます。
それでも一生懸命に頑張った結果、インシデントやヒヤリハットが増えてしまっては元も子もないのかなと思います。
早く自立させたい思いも理解できますが、何かあった時のフォローが増えるのは先輩看護師の負担が増えますし、何よりも患者さんにとってよくないですよね。
おすすめしたいのは、条件をつけて自立にすることです。
それは自立と言わないのでは…というお声が聞こえてきそうですが、一般企業でも初めは小さな仕事をコツコツ積み重ねていき、一人前になるのには数年かかることもあるわけです。
看護師として一人前になるのに、半年や一年では足りないと思いませんか?
本当はもっと、自信をつけてから自立したい。
わたし達も、新人時代はそう思っていたんじゃないでしょうか。
その思いを理解し、寄り沿うだけでなく、できる範囲で実現してあげるのがプリセプターのもつ力だと思います。
病棟によって主となる診療科がありますよね。
単科の場合であれば、重症度で患者さんを分けた時に軽症〜中等症の方のみ自立にする
複数科の場合であれば、十分に学習と経験のできている科1つから自立にする
というのはどうですか?
もちろん、師長などに交渉は必要になると考えられますが、それはプリセプターの頑張りどころです!
何より、こうした工夫をすることでメリットもいくつもあります。
これまでに十分な経験と学習を積んだことを仕事で実践できるため安心感がある(プリセプティ)
自立できていないことは「ここがわからないです」「自信がないから見て欲しいです」と聞きやすいためミスが減る(プリセプティ)
過度な緊張がなく仕事が出来るためストレスの観点からも良い(プリセプティ)
普段の仕事で精一杯にならないため、まだ自立できていないことに関する学習をする余裕が生まれる(プリセプティ)
無理やり自立にしてしまったことによってミスが増えないかの心配がなく、同僚からの苦情に悩むことが減る(プリセプター)
プリセプターと相談して要望を取り入れた決定をすることができ、プリセプティとの信頼関係が深まる(プリセプター)
自立している業務については安心して任せることができ、常に後から確認して回るなどの業務負担が減る(スタッフ)
このように病棟全体・スタッフ全体にメリットがあるということを伝えれば、師長も頭ごなしに無理とは言えないかもしれません。
それに、あなたがプリセプティだけでなくスタッフのことまで考えてプリセプターの役目に向き合っていることが伝わって高評価にも繋がるでしょう。
そのためには、普段から師長と新人のことについて報告や相談をしておくことも話を通しやすくするためには必要ですね。
もちろん、ずっと条件付きの自立というわけではなく、いつかは全面的な自立をするんだよというプリセプティへの意識づけは忘れずに。
はじめに行った現在地確認と自立への計画を予定通り進められているか、適宜チェックしていくという継続的なフォローも必要になります。
わたし自身、今回紹介したことを実践しています。
大変ではありますが、その分プリセプティとの関わりも増え、信頼してもらえているという実感もだんだん持ててきました。
あと半年間、短いような長いような!?期間ですが、頑張って一緒に乗り切っていきましょう〜!
プリセプターやってて大変な(大変だった)こと、悩んでいることがあればぜひ教えて下さいね。
それではまた。