#33 よく話を聴くためには目をよく育てる
看護師って、多かれ少なかれよく人の話を聞く職業。
四六時中、誰かとコミュニケーションをとって有意義なのかどうかはさておき色んな話をして1日が終わると言っても過言ではないような。
人の話をよく聴くためにはどうしたらいいかって、
時々聞かれたりする。
これは別に誰かにそうしろと言われたとか、何かの本に書いてあったとかそういう類のことではないけれど、私はそうしてるなっていうのが一つ。
人の話は耳で聞かない。自分の耳を信用しない。
人が得る情報のほとんどは視覚情報。
そもそも観察、見ることに長けている。
聞き上手、というのは耳がよく働いてくれているのではなくて、耳以外がよくよく助けてくれているから成立することなのかなと思う。
よく人の話を聞くときにながら聞きをする人がいる。
PCで作業しながら、メモをとりながら。
往々にしてあまり聞けてない。
メモするって一見いいように見える。私もメモはする場合もある。
でもメモしてる時ってどこを見てる?
自分の字。
あ、漢字間違っちゃった。
ペンのインクかすれてきた。
そんなの気にしている間に相手の話はどこかへ流されて戻ってきやしない。
耳はすべてを聴いてはくれない。
音声情報だけではあまりに頼りない。
人の話は目で聴く。
non-verbalなサインを一つ残らず見ようとする。
相手に全神経を向けて。
相手もまた、向こうがどんな聴き方をしているか見ているとするならば、きっとちゃんと聴いてくれているのだと思わせられる聴き方をする。
そうしたらもっと相手も自分に神経を向けてくれる。
『話を聴かせたい人』になれる。
話をしてくれるあなたが今この時の主役だよって、目を見たら伝わるようにするなら、そこには特別なスキルも戦略なんていらなかったりする。
欲しいのはいつだって相手の気持ちの向かう先。
今日もあなたの気持ちを聴きたい。
それだけで本当は十分なのかもしれない。
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