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見つからぬ蛍袋に隠すもの

 2週間くらい前から近所の里山の道端には、蛍袋がたくさん咲いていた。花の少ない場所だから、尚更愛らしく見える。 蛍袋は、昔、こどもたちが蛍を入れたという謂れ(確かに中に入れて灯したら綺麗だろうと思うが)から、蛍袋とか、釣鐘草とか言われているらしい。
 こんなにたくさん咲いているのだから、この風情をなんとか俳句にしたいと思って、いろんな角度から見て、詠んでみるが、3日見てみてもしっくりくるものはできなかった。
 俳人波多野爽波の話したという句作の姿勢の一つに、対象が決まったらそこに留まって観るというが、3日やってみても、蛍袋はうんともすんとも私に働きかけてくれなかった。(人のせいにしてるが)

その挙げ句が挙げ句だ。
句会では、お一人だけ特選で取って下さったが、概ね票はなかった。
さてこの句をこの先どうするか。
また来年しゃがんで見てみようと思う。

やるせなく蛍袋にしゃがみ込み

母の具合は、良くない。
母が好きな花は赤や黄色の明るい色の花だった。

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