迷惘夜車、1989年秋
前回の続き
最初は口コミから
留学生活がある程度経過した頃、
現地で流行っている、中国語の曲が気になる様になりました。
1989年当時の音楽媒体、
日本はレコードからCDに移行する過渡期でしたが、
中国は、カセットテープ一択。
最初に覚えた中国語の曲は、留学生の中で流行っていたこの曲。
歌を覚えて、ギターで弾き語りをする友人もいました。
齊秦について当時は、中国の人なのか、
どこの人なのかすらも見当もつかず、
後から台湾の歌手だという事を知りました。
人気がありすぎて、中々カセットテープが手に入りませんでした。
2005年公開、ピーター・チャン監督映画作品の
如果·愛(ウィンター・ソング)。
「外面的世界」が挿入歌で使われましたが、
昔の中国的背景の切ないシーンと
曲の懐かしさで心に迫りました。
ずっとずっと後ですが、一度生で歌う齊秦をマカオで見ました。
香港で見る機会がなく、マカオまで見に行きました。
台湾の歌手は、口コミで知ることが多かったです。
試験前に気になる曲の拼音(ピンイン・ローマ字)を調べまくるとか
しょーもない事をやっていましたが、
歌を覚える事で語彙は増えたと思います。
推しのスターを見つけてハマるのは
昔から語学上達の王道かと思うので
上手くハマって楽しみながら、上達出来たら良いかな?
カセットテープは書店で入手…争奪戦
中国ではカセットテープは主に書店で入手しました。
それはCDが普及する様になった後も、書店で入手する事が殆どでした。
しかし、当時は社会主義的買い物システムの頃…。
カセットテープ売り場は人気があり、争奪戦で、気合が必要でした。
跟著感覺走
1989年当時、上海の街角のあちこちで流れていて、
気になるメロディ、力強く明るい歌声。
誰なんだ?誰なんだ?と探しまくって
カセットテープを手に入れた曲、
台湾のベテラン、蘇芮のヒット曲です。
蘇芮はこの後ハマりまして、留学から帰国後も暫くCDを買っていました。
ずっと後ですが、一度生で彼女のライブを香港で見ました。
跟著感覺走をカバーした張惠妹・紅磡體育館コンサートのゲスト出演時。
張惠妹も好きな歌手ですが、蘇芮を生で見れた事が、
嬉しかったです。
千千闋歌・夕焼けの歌
口コミのオススメで知った、台湾の歌手に対して、
カセットのパッケージの写真で選ぶと、
香港の歌手という事が多かったです。
香港の歌手の楽曲は日本語のカバーが多く、聴きやすい印象でしたが、
時々うっかり広東語のフルアルバムを買ってしまう事も…。
全曲広東語とは知らずに買ってしまい、
当時は全く聴き取れませんでしたが、
素敵な曲だと、何度も聴いた、
陳慧嫻の「千千闋歌」ですが、
後から友人から聞き、近藤真彦の「夕焼けの歌」だと知りました。
今でも香港で愛されている曲です。
因みに「夕焼けの歌」を聴きたく、
2011年の近藤真彦・香港公演を見に行きました。
この曲は梅艷芳のカバーの方が有名ですが、
先に聴いたのが陳慧嫻の方だったので、自分的にはこちらの方が好み。
迷惘夜車、達明一派
そしてこちらも、前知識もなく「ジャケ買い」のテープ。
全曲広東語とも知らずに購入。
達明一派の1989年までの主要曲が入ったベスト版、
あまりにも都合の良すぎる収録曲なので、海賊版かと思いますが…。
自分の中で、彼らが初めて聴いた、
中国語のオリジナルの音楽を作るバンドのアルバムでした。
当時は、初めて聴く彼らの曲に、不思議な感触を感じました。
そして、今でも聴き続けて、
香港で行われるライブに、何度も行きました。
彼らとは本当に、長い付き合いになっております。
ジャケ買い、見た目に拘りすぎると
実は見た目に拘りすぎて、
逆に買えなかったアルバムもありました。
1989年当時、既に、崔健の一無所有のテープを見かけましたが
写真が怖すぎて、買えませんでした…。
何であの時見逃したんだろ?と今でも思ってしまいます。
崔健のアルバムを初めて買ったのは、2作目の「解決」で
1991年にシンガポールのCD店で購入しました。
この後はガッツリハマり、
日本、香港、中国でライブを見ました。