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高校生起業グランプリで誹謗中傷予防ゲーム販売の高校生にインタビューしたら素晴らしかった

横浜市旭区でモンテッソーリ教室を8年運営している、モンテッソーリ教師&思春期までの子育て講座講師の田邊千恵です。

教室で幼児~小学生とボードゲームを行ったり、居場所カフェで定期的に小学生~高校生とボードゲーム会を開いており、ボードゲーム好きの方々とXなどSNSで繋がっています。

その縁で、高校生模擬起業グランプリ・リアビズで活動するノーシャルゲームズさんとも繋がり、誹謗中傷を楽しく学べるカードゲーム「届け、このコメント。#とどコメ」を購入し、今回ZOOMで2名の高校生にインタビューさせていただきました。

高校生模擬起業グランプリ「リアビズ」のHP↓

リアビズは、高校生が自分たちで商品を考え、実際にネットショップで販売するプログラム。 お金やキャリアに関する様々な学びを得る貴重な機会とのこと。(文科省と総務省が後援)

ノーシャルゲームズさんは、東京農業大学第一高等学校の1年生4名がメンバーで、チャレンジしました。ゲームの通販ページはこちら(11/7まで)


インタビュー内容

Q.チャレンジしたきっかけ

A. 「学校のイベントで先生から模擬起業グランプリを紹介してもらい、起業に関心があったこともあり、有意義な高校生活になるのではと、自分たちで参加を決めました」(経理・たぴおかさん)

数年前に学校の先輩が参加したことはあるが面識はなく、すべて自分たちで企画・運営したそうです。

たぴおかさんがなぜ起業に興味を持ったかについては、「私の感想」の項目で詳しく書きますね。

Q.誹謗中傷とカードゲームについて

A.「誹謗中傷は深刻な社会問題になっていることが目に付くし、私たち高校生はネットがとても身近。高校生だからこそ広げられるのではと思い、テーマにしました」(社長&仕入れ・じゃすみんさん)

A.「最近は小学生もネットに触れるので、誹謗中傷について知るきっかけがあったらいいし、ネットは年齢関係無く大人も使うものなので、どの年代でも楽しくできるようカードゲームにしようと思いました」(たぴおかさん)

Q.苦労した点や今後に生かしたいこと

A.「4人でLINEで相談しながら進めたのですが、文章だけだと伝わりづらかったり、時間差もあったりして、コミュニケーションに苦労しました。それから、カードゲームとしてうまく成り立つよう、何度もテストプレイを繰り返してゲームを作り上げるのも難しかったです」(じゃすみんさん)

A.「ゲームの企画・販売を通して、誹謗中傷の深刻さがより分かりました。ゲームで遊んだ小学生が『こんなこと言われたら嫌だよね』と誹謗中傷について分かってくれたりする中で、私自身が社会問題に対して貢献できることが分かったので、これからも何か貢献できたらいいなと思います」(じゃすみんさん)

A.「フリーマーケットや文化祭などでの対面販売で、いろんな方とのふれあいがあり、小さいお子さんや、教育熱心な方や、大学生の方まで、普段お話できない方とお話できたのが、とても良かったです。これからもそういう機会があるといいなと思います」(たぴおかさん)

インタビュー以上です。


私が感じたこと

ZOOMインタビュー画面

高校生起業プロジェクト自体が素晴らしい

高校生の模擬起業を支援するというプロジェクト自体が素晴らしく、高校生が商品の企画をし、審査に通過したら、30万円までの融資があり、それを元に商品を制作、通販ページ(BASEを使用)も提供してくれるとのこと。商店での委託販売や、フリーマーケットなどでも販売可。

何を作って、どこでどのように販売するかまで高校生が自分たちで考えられます。

私は教室運営上、発達心理学に詳しいのですが、高校生の頃では社会を広く知り、社会的自立が発達上の課題(めざすべきこと)なんです。

さらに、私の教室で採用している「モンテッソーリ教育」は、日本では幼児教育のイメージがあると思いますが、実は大学までのプログラムがあります。

海外のモンテッソーリの中学高校では、農場へ数か月寄宿して、野菜や加工品などを生徒が作って販売します。何の野菜を作るか、誰がどんな仕事を担当するか、肥料や水やりの計画を立てたり、販売の金額や方法も考え、実践します。

こうした教育を日本の学校で行うのは難しいと思いますが、こちらの高校生模擬起業グランプリはかなり近いことをしており、素晴らしいプロジェクトだなと、モンテッソーリ教師として感じました。

(注:)今回、取材させていただいた高校生と高校及びプロジェクトは、モンテッソーリ教育とは関係がありません。

参加した高校生のビジョンが素晴らしかった

「高校1年生で受験とはあまり関係が無いし、有意義な高校生活にしたかった」という目的意識やチャレンジ精神が素晴らしいなと思いました。

高校生では教科学習(認知能力)も大切ですが、同じ年ごろのグループで何かに取り組むことがもっと大切で、そこからやりぬく力や社会性など非認知能力が伸びていきます。

高校生は社会で何が起きているかが知りたい時期なので、テーマも「誹謗中傷防止」という社会問題に取り組んだことも、とても良い活動だなと思いました。

さらには、今後も「社会問題に関われたら」「人と関わることができたらいいな」と、将来につながるヒントが得られたようで、今後の進路に直接つながらなかったとしても、生き方の指針の一つになったとしたら、素晴らしい学びだったと思います。

お父さんの存在も素晴らしかった

インタビューでは、なぜ起業に関心があったのか聞いてみました。

A.「父がお金に近い仕事をしていて、お金の大切さを小さい頃から聞いていて、父の背中を見て育ったといいますか……」(たぴおかさん)

少し照れながらのこちらの回答が、とても印象的でした。一般的に、お父さんという存在は、子からすると「社会の代表」のような存在です。心理学用語でいう「父性」は、家の外や社会を表します。

お父さんが仕事の話を、子どもの年齢に合わせたレベルで伝えたり、自分の考えを伝えることで、子どもの社会への認識も育っていきます。それが社会を考えていく高校生で芽吹いたのかと思います。

「勉強の前に、家族を整えよう」と伝えている私にとって特に感慨深いものがありました。

気づきまとめ

教科の勉強以外の学び、特に高校生での社会的な活動の大切さを実感しました。また良好な親子関係が、学業以外での活動で花開くことも改めて感じました。

私の教室では小学生までのお子さんが生徒ですが、子育て講師としては高校生までの親御さんとお話をする機会がありますので、高校生が伸び伸び学べるための親のサポートや接し方や、家族関係がよくなる習慣などについて、講義の中や、SNSでの発信をしていきたいと決意を新たにしました。

Xを通じた、良い出会いに感謝です。カードゲーム「届け、このコメント #とどコメ 」も大切に遊ばせていただきますね。

とどコメで遊んでいる様子

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