Webライター1本で食っていく自信がないから副業でやり続けるよ、という話
こんにちは、千鳥あゆむと申します!
前回は自己紹介も兼ねて会社員と副業でライターをしている話を書かせていただきました。
要約すると、4年目にしてやっと副業のライターの方もペースをつかめてきたという話です。新卒入社の時は副業の方は全然手が回らず、1年に5~6本しか記事を出せませんでした。それが最近ではマシになったよ、という報告です。
今回はその続きで、会社員との兼業をしていて「うれしい~!」「最高~!」と感じる場面を書いていこうかなと思います。
ただ、私の働き方や環境が誰にでも当てはまるわけではないですし、「あるある」「自分は違う」「こいつは何を言っているんだ」様々な感想が出てくることでしょう。一例として「こんな人がいるのね」くらいの感じで気楽に読んでいただけるとうれしいです。もちろん、「千鳥あゆむのやり方をマネすべきだ!」などと啓蒙する気もありません。
フリーランスや独立はかっこいいけど、Webライターの場合は大変かも
ライターとして独立してフリーランスとして食っていけてます!
……なんてライターさんをSNSでチラホラ見かけます。「かっこいい~」と感じちゃいませんか?実際、自分の筆力で生活できるなんて憧れます。
しかし、それができるようになる背景には並大抵ではない努力や能力が存在しているはず。そこらへんを軽視すると痛い目を見るように思います。きっと彼らには、仕事をコンスタントに得ることができる筆力や営業力が備わっているはずですよね。
また、Web記事の場合は食っていくためには猛烈に書き続ける必要があります。アフェリエイトブログや有料noteのようにストック型の副業ではなく、1本の記事に対して値段がつくことが多いためです。
例えば、有料noteの場合を考えていきましょう。1本のnote記事がうまいことバズれば、1本の記事を書く労力で長期にわたり収入を得られる可能性がありますよね。もちろん、現実的にはnoteの収益化も大変だとは思いますので、理屈の上では、の話です。
ただ、記事単位で値段がつくライターの場合はそうではありません。1本の記事が大バズりしても、継続的にお金がもらえるわけではないのです。1本の記事単価が10,000円なら10,000円を1度きりしかもらえないのです。たまに、メディアの親切心でPV数によって金額が上乗せされることもありますが、それでも基本的には記事単価での報酬となります。
極端な話、一度書いた記事が仮にこれから50年間読まれ続けたとしても一銭も入らないのが当たり前なのです。(50年後にライターにとって最高すぎるテコ入れが行われていれば別ですが)現状は記事に印税的なものはないので……。
どこかの会社に業務委託などで参加して時間給で給与を得るという方法もあります。その場合は、半分会社員のようなものなので比較的安定しやすいかもしれません。
ただ、そうではなくてどこにも所属せずにフリーライターで十分な額を稼いで生活していくことを想像すると、なかなか大変そうです。(定性的な話で申し訳ないですが)自分の周囲のフリーランスのライターさんからもそのような苦労話を耳にすることが増えました。
ライターになることはできても、フリーライターで暮らしていけるかというと…?
Webライターは、他のWeb系の職業のエンジニア職やデザイナー職と比べて、専門知識や資格がそこまで問われないのは1つの魅力だと思います(業界としてそれが良いか悪いかは別として)。やる気があれば「ライターになる」こと自体は、そこまで時間がかからないでしょう。
もちろん、専門的な知見が必要なメディアもあるし、そのような力はあった方が良いのも承知の上です。その方が書けるジャンルの幅も広がりますしね。
ただ、そうではないメディアも探せばわりと見つかるのです。似たようなことを繰り返しますが、専門的な知識や資格などを軽視しているのではないことは強調しておきます。あくまでも「ライターになる」こと自体は他業種と比べるとそこまで壁が高くなさそう、という話です。専門知識や経験を問わない求人も探せばすぐに見つかるでしょう。
しかし、ライターになれたとしても「生活をしていく」ことを目標として、継続して仕事を得るスキルや継続して書き続けるスキルがどれほどあるかを己に問うとどうでしょうか。
他の職種での独立なら事情が別だとは思いますが、「フリーライターで食っていけるか」と考えると私の場合は自信がありませんでした。
・小心者の自分がガンガン責める営業をできるか?
・余裕をもって暮らせるだけ記事を納品できる生産力があるのか?
・仕事が絶えないくらいの筆力や専門知識があるか?
・自分はそんなに筆力や知名度があるライターか?
・知名度アップのために自分をコンテンツ化する覚悟があるか?
・そもそも私自身が万人受けする面白みがある人間か?
・ケガや病気で書けなくなった時をカバーするビジネスモデルがあるか?
などなど考えていくと、自分の場合はことごとくNO。書くことは好きですが、自分の能力や知名度だとそれで暮らせるビジョンが全く見えない。
そんなわけで、何かしらのハッピーミラクルが起きて爆発的に稼げる最高機運がやってくることがない限りは兼業の形をとることにしています。自分の力で生活できるスタイルはかっこいいし尊敬するし憧れます。しかし、現状の私には残念ながらその生活を実現する能力がないのです。
会社員との両立は安心感が半端ない!他にも良いこといっぱい
幸い自分は今所属している会社に大きな不満があるわけではないし、仕事自体も面白いなと思いながら取り組んでいるので、会社を辞める必要もありませんでした。
どちらかというと、ライターの活動はやっていきたいが、どのような形で実現するかを決めねばならない感じです。
兼業をしている自分が一番に感じるメリットは、誰もが思いつくであろうお金の安心感です。それはそうなんだけど、半端ない。毎月定額の収入が入るのは心配事が減るので小心者の自分にはありがたいのです。
また、この家計が安定するメリットによって他の良いことも起きているなあ、と日々実感しています。6つ挙げるのならば次のような感じです(キリよく5つにしようと思ったら、6つになっちゃった…)。
①安定した収入があるからこそ仕事の選り好みができる
私の主たる身分は会社員なので、ライターは副業という形になっています。そのため、会社員としての給与が毎月振り込まれるわけで、正直そのお金だけでも贅沢をしなければ生活をすることはできます。
だからこそ、ライターの業務については「自分がやりたいかどうか」を軸にして手を挙げることにしています。会社での業務はそれが仕事なので選り好みはできないことが多いわけですが、副業に関しては仕事を選ぶ段階で自分に裁量があるのです。
極端な話、自分の好きなジャンルだけを執筆することが可能です。これは生活がかかっていないから自由にできるわけでして、ライター業を専業にしていたら能力のないうちは難しかったのかなと思います。
②時間が限られているから、見積もりをしやすい
平日の主な時間を会社での業務に充てているので、執筆時間は他のフリーライターの方と比べて圧倒的に少ないです。
自分の場合は、なるべく金曜の夜、土日などに執筆するように工夫をしています。慣れてくると「1日に無理なく書ける量は短いコラムなら2~3本だな」「取材記事なら1本書くのに1日見積もった方が良い」などの見積もりがしやすくなります。
言い換えると、「時間だけはたくさんあるから」と油断できない状況なので、見積もらざるを得ないわけです。
③福利厚生や健康診断や保険など……
これは本当にありがたい。交通費や家賃、書籍代の援助以外にも、会社によってはユニークな規定があったりしますよね。
あとは、健康診断を会社のお金で受けれたり、保険や税金の諸々(理解が浅くてごめんなさい)を会社が取りまとめてくれるのもありがたい。1人ですべてやるとなるとなかなか大変だし、勉強しなくてはなりません。
④リスクなく収入が増える(それはそうだけど)
会社での昇給の機会って必ずしも頻繁にあるわけではないですよね……。頑張って成果を出したつもりでも、会社の経営状態や目標によっては昇給につながらない場合もあるはず。残念ながら、努力したつもりでも確実に報われるとは限らないんですよね。
でも、だいたいの人はお金のことが大好きなはずなので(?)、収入を増やせるなら増やしたい人が多いはず。そんでもって、どうせなら大損せずに確実に増やしたいですよね。とりあえず自分はそういう感じの人間なので、手を動かした分収入につながる副業はメリットに感じています。
「収入を増やしたい!でも、リスクがある投資もちょっと怖い。」そんな人が手っ取り早く着実に収入を増やす1手段としての兼業は最高だと思います。
⑤書くのが嫌になっても大丈夫、という安心感
書くのが好きなのでライターになったのですが、この情熱がいつまで続くかは自分でもよくわかりません。
生涯やっていけるのならやっていきたいのですが、自分のことはまるで信用ができない。だけど、副業という選択ならば、いつ辞めても正直生活が困ることはないのです(依頼主のメディアに迷惑がかかるので、手続き等はうまいことやるべきだとは思いますが……)。それに、今後ライターを再開したくなったら、いつ再開しても問題ないのです。
好きなことだからこそ、少し柔軟な働き方ができるようにしておくのもアリかなというように感じます。
⑥複数のコミュニティに所属できる
自分は少なくとも仕事については、会社とライターの2つ職種のコミュニティに所属しています。これ、案外メリットだなと感じています。
まず、片方のコミュニティで失敗しても別の所属先があるというのは、精神衛生上も非常に安心感があります。片方での人間関係や業務がうまくいかなくても、もう片方が良好であれば、さほどダメージがなかったりもします。
あとは、本業と副業で職種が異なるので、所属する人たちも考え方が全然違うんですよね。片方でOKな振る舞いがもう片方では失礼にあたる場合もあるのです。それに仕事のやり方も全然違う。とにかく効率を重視する必要があったり、効率より人情を重視するとうまくいったり。
それぞれの業種や組織には独自の文化があるのは当然です。良い意味でそういったものに染まりすぎない自分になれると思います。「ライターではこれが正解だけど、うちの会社ではやらないな」など、一歩引いた目線で判断することが多くなったと自覚しています。
当たり前のことなのですが、自発的に認知を変えるのはなかなか難しいですよね。自分の場合は、そうせざるを得ない環境なのが良いことだなと感じています。
どっちをとる?自信がないなら、一旦は会社員のままで悩むのも良い気もする
私は「完全フリーランスVS兼業」のような価値観バトルをしたいわけではありません。
それぞれの働き方や体力、会社のルールなどの事情が人それぞれあるはずだからです。
例えば、同じ会社内でも部署が違うだけで、入社時期が同じなのに働き方や残業の量が全然違ったりもします。どっちつかずな意見で申し訳ないですが、「〇〇の方が良い」と断言してしまう方が無責任な気もします。
とはいえ、自分のような人はいらっしゃるでしょう。趣味が高じて収益を生んでいるが、それで食っていけるほどかというと怪しい。
個人的には、兼業が許されている会社に所属していて、まだ収入に自信がないのならば、無理せずそのまま現状維持で悩み続けるのも悪くはないんじゃないかなという気もします。
兼業が許されている会社って貴重ですし、せっかく許されているならその権利を最大限活用しちゃえばいいんじゃないかなと思います。
もちろん「労働環境が悪くてやめたい…」などの事情がある場合は別問題ですが……(このように個々の事情があると考えると、1つの道をビシっと薦めることができない)。
現状、組織に所属していて特に大きな不満がないのならば、安定した給与や福利厚生、保険の諸々のありがたみを素直に享受するのも良いんじゃないでしょうか。覚悟がないうちにリスクを取って無理に独立する必要もないですし、もらえるものは喜んでもらっておくのもアリでは?
SNSでよく見る専業ライターへの憧れは私もありますが、すごい人に影響されて決断をすると危険もあります。能力や覚悟がないのならば、自分で納得するまで徹底的に悩むのも悪くないと思います。
正直、副業ライターから専業ライターに転向すること自体はいつでもできます。遅すぎるということもないでしょう。踏ん切りがつかないなら、悩み続けてもさほどリスクはないのかなと思います。
いいことばかり書いてもフェアじゃないのでデメリットを紹介
なんて感じに、兼業をしている立場から嬉しいことばかり書いてしまいました。とはいえ、自分の環境を正当化したい感情は多くの人にあるもの。私も例外ではなく、良い面ばかり取り上げてしまっている可能性はおおいにあります。なので、「兼業で満足している人が書いた文章」だと思ってください。
それはそれとして、良いことだけ書くのは、読者の皆様に対して誠実じゃない気がしてきました。ですので、「兼業ライターをしていてここは大変」という点を箇条書きで紹介していきます。お前だけだろという部分もありそうですが。
ここが大変!兼業ライター!
・本業の後に記事執筆しんどいから、土日にまわしがち
・本業優先なので、取材依頼を泣く泣く断ることも
・土日のどちらかが執筆で消える
・本業と副業で色々な締め切りが重なるとパニックになる
・本業で失敗して落ち込んでも、かまわずに記事の締め切りはやってくるぞ!
・応募したいライターの求人が平日昼間に執筆するのが前提だったりする
・編集者さんから連絡をいただく時間に自分も働いているので、返信が遅くなっちゃう(これは本当にごめんなさい)
・長々と書いたけど、そもそも兼業や副業に理解のある会社や上司がいないと成立しない働き方なんだよね
【おわりに】前回の訂正とおまけ。兼業のせいじゃないけど、週末の睡眠サイクルの崩壊がすさまじい
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!あとがきです。おまけです。
偉そうに色々書いてきましたが、私は土日の生活が崩壊しています。
というのも、前回の文章で「ある程度規則正しい生活になる」としれっと書いているのを見つけたのですが、これは平日の話です。土日に関しては全く当てはまっていないです。ごめんなさい。ここで訂正します。
なんなら、平日もテレワークでお昼頃から仕事を開始しても良い業種だからどうにか働けてるだけです。実際、11:30や13時前とかに起床しています。一般的な会社員としてはアウトかもしれません。偶然許されているだけです。
しかも、学ばないので生活が崩壊しやすいことなぞ忘れて、金曜の終業後から浮かれて夜更かしをしちゃいます。しかし、土日には執筆のタスクがあるので滅茶苦茶な生活になります。
夜型の生活なのですが、提出原稿の最終更新時間が朝の5時とか6時になることもしょっちゅう。どういうことなの。うまいこと編集者の方々から朝方の規則正しい生活の人だと思われてないかな……。
何故、休日の私は、朝のゴミ収集車がやってくる時間まで起き続けてしまうのでしょうか。平日は会社の強制力でどうにかなっていますが、土日はどうにもなっていません。
これは今日(2021/8/7)の異常生活のダイジェストです。
00:00 作業
04:00 食事
05:00 kindleで漫画や小説を読み漁る
09:00 満足したので入眠
17:00 満足のいく起床
19:00 食事
20:00~24:00 この文章を書いている
「なんだ、たいしたことないじゃないか」と思った方は仲間です。これを機に仲良くしてください。
というわけで、休日の私の生活リズムは破滅の一途をたどるばかりですが、締め切りは規則正しく襲来します。さて、どうしたものでしょうか……。
ぜひ、心優しい読者の方々は、休日の生活習慣がどうしようもない私に休日でも崩壊しない生活を保つ秘訣を【優しく】教えてください。生活習慣が改善した暁にはもっとお仕事ができるようになるかもしれません。そもそも、改善しないかもしれないけど……。
では、これでおしまい。読んでいただき、ありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?