【選挙ウォッチャー】 福島県知事選2018・分析レポート。
2011年に起こった福島第一原発事故は、「福島」という場所を特別な場所に変えてしまいました。それまでは東京から新幹線で1時間半、山も海も美しく、米やフルーツが美味しい場所でした。ところが、美しい山や海は放射性物質で汚染され、米やフルーツからも放射性物質が検出されています。福島の子どもたちには小児甲状腺がんがたくさん見つかっていて、「ほぼ原発事故のせいだろう」というところまでは来ているのですが、「原発事故のせいだ」と断言するためには原発推進派の反論をすべて否定できるだけの十分なエビデンスを揃えなければならず、まだまだ断定するまでには時間がかかります。べつに科学者のオジサンたちがサボっているわけではないけれど、証拠を揃えるにはそれなりの時間がかかるというわけです。これまでの動きを見る限り、行政が子どもたちの安全を守っているかと言ったら、けっして守っているとは言えないと思いますが、どうしてそんなことが起こってしまうのかと言ったら「政治が腐っているから」の一言です。これはどちらかと言うと、福島の政治家が腐っているというより、日本の国会議員が腐っている方が影響は大きく、政治はエビデンスがなくても子どもたちの安全に万全を期すことができますが、それができない環境が揃ってしまいました。その中で現職の内堀雅雄さんは「よくやってくれている」という評価なのだと思いますが、改めて、福島の置かれている現状を考えてみたいと思います。
内堀 雅雄 54 現 自民・公明・国民・立憲・社民推薦
町田 和史 42 新 共産推薦
高橋 翔 30 新 泡沫候補
金山 屯 78 新 泡沫候補
ぶっちゃけた話、今回の福島県知事選は、選挙をやる前から結果がわかっていると言えます。内堀雅雄さんの県民支持率は約80%と言われ、そもそも多くの福島県民が内堀雅雄さんの政治手腕を高く評価しており、県民からはまったく嫌われていません。なぜこれほど支持されているのかと言うと「何も言わないし、何もしないから」なのですが、この福島で求められているのは、まさに「何も言わないし、何もしない」なのです。もし内堀雅雄さんがいつまでもお元気であれば、内堀雅雄さんは現在54歳で3期目の戦いだったので、あと4回は立候補できるはずです。2022年に58歳、2026年に62歳、2030年に66歳、2034年に70歳ということで、2038年くらいまでは知事であり続けるのではないでしょうか。
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