【選挙ウォッチャー】 金沢市長選2022・分析レポート。
3月6日告示、3月13日投開票で石川県の金沢市長選が行われました。
これは3期11年務めた現職の山野之義市長が石川県知事選に立候補することになり、辞職することに伴うものです。山野之義さんが石川県知事選で大善戦するくらいに人気が高いので、これは絶好の機会だと、5人が立候補する大激戦となりました。
石川県知事選では、日本維新の会から推薦をもらった元プロレスラーの馳浩さんが大接戦の末に勝ったのですが、こちらは序盤から情勢が固まりつつあり、しょっぱい結果に終わっています。あんまり良い候補がいなかった石川県知事選とは異なり、良い候補たちの中から選べる選挙だったにもかかわらず、良い候補たちに限って票が取れなかったのです。
石川県知事選の結果を見ても、共産党推薦の候補が1万票台しか票が取れなかったのに、3分裂していた自民党系の候補は17万、18万、19万票です。自民党がどれだけ強いのかということを示していると言えますが、リベラル系の候補者たちの人気の無さたるや、ここまで不人気なエリアは滅多にあるものではありません。
なので、今回の選挙では共産党推薦で新日本婦人の会の中内晃子さん、立憲民主党や社民党から推薦をもらっていた森一敏さんがリベラル。永井三岐子さんが中立。自民・公明推薦の村山卓さんが保守、参政党の小間井大祐さんがネトウヨだとするならば、リベラルになればリベラルになるほど人気がなく、保守ほど人気があるという結果になっています。
■ 永井三岐子候補の主張
今回、石川県知事選や金沢市議補選の泡沫候補を除き、有力候補の一人でありながら、残念ながら会うことができなかったのが、永井三岐子さんでした。朝と夕方に金沢駅周辺に行くと会える確率が高いと言われていたのですが、昼のスケジュールがなかなか発表されず、タイミングが会いませんでした。
永井三岐子さんが掲げている政策は、それほどズレたものではありませんでした。地域感染症危機管理センターを創設して新型コロナウイルスなどに対応すること。子どもが安心できる家と学校以外の「第3の居場所」を作ること。子育て・ひとり親家庭のワンストップ窓口を作ること。地域包括ケアシステムの充実。「脱炭素」や「脱プラ」でイノベーションを生み出し、新たな産業を確立すること。
選挙公報を見る限りでは、なかなか良い感じの候補ではないかと思いましたが、いかんせんスケジュールが細かく発表されていなかったので、取材するタイミングを逃しました。これが唯一の心残りです。「SDGs」に対する意識も高く、世界中の国々を見てきた経験もあるので、新たなアイディアで金沢に新風を巻き起こしてくれる可能性もありました。
ものすごく上品で知的な雰囲気漂うマダムなのですが、事前に聞いていた情勢では、3位につけていました。「参政党」に推薦されている小間井大祐さんよりは社会経験が豊富で、いろいろな知識を持っているに違いありませんが、いまいち浸透していませんでした。
金沢市の人口は46万人なので、積極的にSNSを活用する空中戦も効果的だと思いますが、あまり使いこなせている印象はなく、効果的に票を取っている様子はありませんでした。せっかく良い候補なのに、いまいち風を吹かせることに失敗していたというのが敗因ではないでしょうか。
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