【選挙ウォッチャー】 宮崎県知事選2018・分析レポート。
今、東京は東京五輪を口実に、大阪は大阪万博を口実に、巨額のハコモノ建設が進められることになってしまいましたが、実は、宮崎県も同じような構図の中にいることを多くの方が知りません。宮崎県では8年後の2026年に国体が行われる予定になっていて、競技場、体育館、プールとすべてが新設される計画になっているのです。これから人口が減っていこうとしているのに、わざわざ新しい競技場や体育館を作る必要があるでしょうか。なるべく新しいものを作るのではなく、改修して長く維持する方が良いのではないかと思いますが、地元の業者にそれなりのお金を撒いてあげなければ支持してもらえないということもあるのでしょう。しかし、こんな時代遅れのことをいつまで続けるつもりでしょうか。せっかく宮崎県は利権から隔離され、豊かな街になっているのに、自らの手で台無しにしようとしているとしか思えません。本当にこれでいいのでしょうか。
河野 俊嗣 54 現 自民、立憲民主、国民民主、公明、希望、社民推薦
松本 隆 57 新 共産推薦
まるで京都府を見るようですが、現職の河野俊嗣さんのことは自民・公明はもちろん、立憲、国民、社民、希望が推薦しています。ここに入っていないのは自由党ぐらいなもので、対するは共産党です。ハコモノ利権でウマウマしようとしているのですから、自民・公明が乗っかるのは当然としても、立憲、国民、社民あたりが相乗りしているのは不思議な構図です。先日の佐賀県知事選と見比べてみても、河野俊嗣さんの方が臭いです。なのに、こんなに全員で河野俊嗣さんを推しているのですから、これはこれで普通に闇を感じてしまいます。
■ 現職に対抗するのが共産党だけという悲劇
少子高齢化が本格化し、これから税収が増えることが期待できない中、豪華な国体にするべく無駄なお金を使わせようという勢力に知事が負けようとしているのに、「どげんかせんといかん!」と立候補する人が共産党しかいないというのは、この国の闇です。立候補するだけ共産党は偉いのですが、悲しいことに共産党で勝負になった試しはありません。つまり、共産党以外から立候補する人がいないのは、社会としてあまりに不健全であるということです。
共産党しか立候補していないどころか、ほぼすべての政党が現職の推薦に回っているということは、河野俊嗣さんには何の不満もないどころか、むしろ最高の政治をしていると評価していることになります。河野俊嗣さんが特別にクソであるとは思いませんが、長くやれば課題は生まれます。細かい部分で賛成しかねる政策はあると思うのです。本来であれば、より良い政治を目指して多くの人が立候補するべきですが、宮崎県民の選択肢は「現職or共産党」の2択です。だんだんハコモノ建設を重視する政策に移行しつつあるのですから、現職がイヤだと思ったら共産党に投票しなければならない現実。共産党の政策にも賛同しかねる場合には選択肢がないのです。これは非常に悩ましい話です。
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