【選挙ウォッチャー】 大阪市議選2023・天王寺区レポート。
3月31日告示、4月9日投票で、大阪市議選が行われました。
天王寺区の定数は2となっておりますが、今年も大阪維新の会が2枚取りを目指して2人を擁立。自民党はベテラン議員が高齢のために引退し、30歳のキャリアアップを目指している若者に引き継がれました。果たして、自民党が議席を守れるのかというところが、最大の関心事だと思います。
天王寺区は、鶴橋や玉造といった下町エリアです。谷町九丁目、桃谷、天王寺駅などがあります。近鉄の本社があり、かつては地価が高騰したこともあります。人口は約8万5千人で、和田アキ子さん、今田耕司さん、オール巨人師匠などを輩出しています。
■ 大阪市天王寺区・選挙ボード解説動画
■ 大阪万博の「今」を伝える(#23)
結局、大阪万博の建設費は、いくらになりそうなのか。
見積もりが甘く、まだまだ青天井で上がっていくばかりの万博の建設予算ですが、現段階で、当初の1250億円から1.8倍となる2300億円に達する見込みであることがわかりました。これで完全に上がりきったわけではなく、さらなる上振れは必至で、2倍となる2500億円も見えてくる勢いです。
しかも、これから電気や上下水道、トイレや椅子、キッチンといった部材を入れていくことになりますが、これらの費用や人件費も軒並み高騰しているわけですから、2倍で収まればマシな方ではないかという意見まで出てくるほどです。
止まらない円安、止まらない燃料費の高騰、そして、トラックの運転手が足りない問題など、解決できそうにない問題は山積みです。この状況で2025年の開催を迎えなければならないわけですが、割増料金を払って、急いで工事してもらおうと思ったら、さらにお金がかかります。というか、まだ基礎工事すらできていない状態で、2025年4月には開幕すると言っているのですから、絶対に間に合わないし、下手をすると、1年延期しても実現するかどうかが分からないところまで来ているのではないかと思います。
そして、事態をより深刻にしているのが、大阪維新の会です。これまで大阪維新の会には、何か大きなプロジェクトを成功させたこともなければ、何か大きな問題を解決した実績もありません。これまでやってきたことは、だいたい小手先の数字イジリで、「%」を「‰」にして、良い数字のように見せたりしながら、いかにも良くなったかのような演出をしただけで、実際は大阪を衰退させているだけです。新型コロナウイルス対策一つとっても、全国で最も死者を出している都道府県として、圧倒的な存在感を示しているぐらいで、「バカで無能な奴が政治をすると最悪な結果を生む」ということを証明しているに過ぎません。
今、自分たちで作り出してしまった「大阪万博の失敗」を、どうにかして修正しなければならないのですが、極限の無能なので、どうすればいいのかを考える人もいないし、自分たちの責任をどう他人になすりつけるのかを考えているだけなので、軌道修正すらできません。
本当はここで傷口を最小限に留めるために「延期します」の一言が言えればいいのですが、「失敗したことを認めたら死ぬ」というのが大阪維新の会なので、いまだに「延期」の決定ができず、このままでは、あっという間に開幕の日を迎えてしまい、ほとんどのパビリオンが工事中のまま、ほとんど何も見ることのできない「大阪万博」を迎えることになるでしょう。もう昔のように「なんだかんだ帳尻を合わせる」ということもできなくなり、「これ何なん?」という話にしかならなくなると思います。
もっと悲惨なのは、それでもまだ大阪維新の会がカジノを誘致しようとしていることです。「大阪万博」という期間限定のイベントすら成功させられない人間が、「カジノ」という常設のハコを作って成功させられるはずがありません。今はどんな状況なのかと言えば、「カジノを作ったらギャンブル依存症の人がたくさん出るのではないか」という心配すらなく、あんな所にカジノを作って黒字にできるほど客を維持できるのかという話です。潰れかけのオートレース場ぐらい人が集まらず、過疎ったまま、巨大な廃墟が出来上がる可能性が高いです。なにしろ、大阪維新の会の計画では、カジノはカジノで作るけど、「IR」と言っているぐらいですから、他にもたくさんのエンターテイメントを作り、あるいは、国際展示場のようなものを作り、イベントでも集客を図る計画です。圧倒的な成功体験を持つ「大阪万博」ですら、このザマなのですから、カジノのある夢洲IRのイベントに、一体、どんな人が行くというのでしょうか。バカなんでしょうか。
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