【選挙ウォッチャー】 沖縄県議選2020・宜野湾市選挙区。
宜野湾市は、わかりやすく言うと「普天間基地があるところ」です。辺野古基地を作ることで、米軍の皆さんには移動してもらい、普天間基地を返還してもらいたいというのが、宜野湾市の皆さんの願いです。ところが、もし辺野古基地が完成しても、普天間基地を返還してもらえるかどうかは極めて怪しいです。というのも、べつに米軍と約束ができているわけではないからです。百歩譲って、普天間基地の返還がしっかりと約束されているのなら検討する余地もあろうかと思いますが、約束されていないということは、辺野古基地ができることによって「基地が増えただけ」になってしまう可能性が高いのです。返還してもられる確証もないのに新しい基地を作るなんて「頭がおかしい」の一言ですが、そもそもどうしてこんなに頭の悪いやり方がまかり通っているのかと言ったら、「政治家の頭が悪いから」の一言に尽きます。これほど悲惨な選挙は滅多にあるものではありません。
宮城 一郎 53 オ現 社民党
又吉 清義 62 へ現 自民党
呉屋 宏 61 へ元 隠れ公明党
玉城 健一郎 35 オ新 無所属
自民党の又吉清義さんは、もともとネトウヨをこじらせているタイプではあるのですが、かなり評判が悪いようで、「落選するのではないか」と囁かれていました。宜野湾市の定数は3なので、誰か1人が落選するような選挙ではあるのですが、普天間基地のある宜野湾市で自民党の候補が落選するとなると、これはこれで事件です。選挙ウォッチャーである僕たちには、ただ固唾を飲んで見守ることしかできないのですが、沖縄の歴史が変わるかもしれません。
■ 宮城一郎候補の主張
今回、かなり難しい選挙を戦うことになったのが宮城一郎さんです。社民党公認、沖縄社会大衆党と連合沖縄の推薦をもらって戦っていたのですが、力関係を見ると、落選しても仕方がないと思える部分があります。まず、宮城一郎さんの公約を確認しておこうと思いますが、第一に掲げているのは「普天間基地の危険性放置を許さず、1日も早い運用停止と返還を求める」でした。ネトウヨは県政与党(オール沖縄)が普天間基地の固定化を推進していると主張していますが、まったく逆です。実際には「辺野古基地を作ることもなく、無条件で一刻も早い返還を求める」というものです。普天間基地の固定化なんて最初から求めていないのです。アメリカは今日の今日まで辺野古基地ができたら普天間基地を移転するなんて、一度も公式に約束したことはありません。辺野古基地ができれば移転してもらえるというのは、あくまで自民党のオッサンたちの妄想に過ぎないのです。そうすると辺野古基地ができても普天間基地が残り続ける可能性があるのですから、政治家として無条件返還を求めるというのは当たり前の姿勢です。さらに、PFOSなどの有機フッ素化合物の仕様を禁止し、基地内外の土壌と水質の原状回復を求める。これは全国の米軍基地周辺で起こっている問題で、「米軍なら土壌や水を汚染してもいい」なんていうお墨付きを与えるのは間違っています。その他、観光目的税の導入、事業の地元優先発注の促進、子供の医療費を高校卒業まで助成し、やがて無料化して子育て世代の経済格差を解消する。その主張はすごくまともだと思いますが、残念ながら落選しています。なぜ落選してしまったのかについて、この後、詳しく解説してまいります。
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