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大脱走

完全に油断していた。
夏休みが終わり、ようやく幼稚園が始まって好調なように見えた二学期。


強烈な手足口病のウイルスをもらってきて、とても辛そうな上の子。幼稚園始まると避けれないウイルスのお裾分けだと思い、食べれるものをひたすら考えている。


そんな日常の中事件は起こった。

我が子の連れて帰ってきた

『せすじすずめ』の幼虫が家の中で行方不明なったのだ。


セスジスズメの幼虫とは、
モスラのフォルムでバトラのカラーリングというなかなか強烈な見た目に加え、大きさと重さが控えめなシャウエッセンのような、虫好きにはたまらないサイズ感。

虫好きではない母にとっては虫唾が走ると思わず韻を踏むザ!イモムシである。


牛乳パックとビニールとテープで作ったあまりにも粗末で簡素な仮住まいにご立腹だったのか、ビニールとパックの隙間から逃走。


玄関で逃げたため、靴の中、ベビーカーのポケット、棚の中等色々と捜索。


ふと玄関から最寄りの部屋の白い壁に目をやると


黒い『し』の字が動いている。
その下にはマザーズバック。
落ちたらバックに吸い込まれる仕様になっている。

上に登りゆく『し』

ここで取り逃したら「しあるのみ」である。なんて考えてる場合ではない。


きゃー!とかではなくうわー!!!!!と叫んだ後、上の子に捕まえるように頼むと、

「怖くて触れないんだ。」とのこと。


どうやって連れて帰ってきたんだ!!と心の中でつっこんでいる間にもどんどん登りゆく『し』


網の上からならいける!と言い出した我が子に虫取り網を渡しなんとか確保。逃走劇は終わりを告げた。



とりあえず虫の保管において牛乳パックはダメ絶対だと思った。

セスジスズメに背筋を凍らされたが、まだまだ暑い日は続きそうだ。


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