「毎日の食卓に大麻を」、"The Art of Weed Butter"
書評の一冊目になぜこれを選んでしまったのかわからない。
たまたま古本屋で手に取ってしまったのだ、この洋書を。
タイトルは「The Art of Weed Butter」。直訳するなら、「大麻バター術」。
大麻、マリファナのバターなのだそうだ。
※要らないかもしれない豆知識:weedは基本的には「雑草」の意味だけど、ここでは「大麻」。
もちろん、この本に書いてある手法を日本で活用したら御法度だろう。でも読んでムヒムヒ楽しむだけなら何の罪にもならない。
というわけでマリファナバターについて知識を得ることにしよう。
まず、マリファナバターとは何なのか、という根本的なところだ。
この本によれば、マリファナバターは、直接マリファナから絞った油脂ではなく、バターやオリーブオイルなど他の油脂にマリファナの成分を溶かし込んだもののようだ。
マリファナの抽出は、アルコールを使ったもの、レシチンを使ったもの、スロークッカーを使ったものなどいくつか手法があるようで、ステップ・バイ・ステップの詳しい手順が写真付きで紹介されている。なんとベーコンの塊を使ったものまであって、面白い。
さらには、マリファナバターを使った様々なレシピが紹介されている。が、その料理の幅の広さには驚かされる。トースト、パンケーキ、ドレッシング、肉料理、魚料理、ラザニャ、マフィンなどの焼き菓子。まあ、なんと盛り沢山!
とはいえ、基本はバターなのだから、バターを使った料理が多岐にわたるのを考えれば当たり前といえば当たり前だ。
ただ、普通の料理本とはやはりちょっと異なるのはもちろんのことである。「容量」や「ハイになりすぎた時の対処法」の説明や、「マリファナを吸う」のと「マリファナバター料理を食べる」のとで体にどのような違いが生じるのかにも言及している。そして、生のマリファナ葉の処理の仕方も。
筆者はアメリカの自宅で合法的にマリファナを栽培し、このような研究をしているらしい。もともと寄宿学校時代にうつ状態になった時、マリファナを恋人とすることで酒やドラッグにおぼれずに済んだのだそうだ。
日本で生まれ育った私にはマリファナもドラッグと同等に感じされるのだが、大麻の合法的利用の議論もあることだし、へんな思い込みや先入観は改めなくてはならないのかもしれない。マリファナを吸いに海外旅行に行く日本人もいるわけだし・・・
さて、この本は古本屋で500円で手に入れたものだったのだが、古い本かと思いきや意外にも2018年発行だった。なんとアマゾンでも普通に売っていた。
多分、買っても日本では実用できないと思うけど・・・。私みたいな客はいるのかもな。
"The Art of Weed Butter- A Step-by-Step Guide to Become a Cannabutter Master" , Mennlay Golokeh Aggrey (2018), Ulysses Press