ホームアローンとロバハウス
普段はあまり好きじゃない金曜ロードショーのセレクトだが、このクリスマス時期の『グレムリン』『ホームアローン2』の流れは、なかなか良い仕事するじゃあないか!と謎の上から目線の心持ちで、翌朝録画を楽しむ子ども達の姿を見ていた。ちなみに、木曜洋画ならクリスマスはやっぱり『ダイハード』か、『ジングル・オール・ザ・ウェイ』とかだろうか。あの感じも懐かしい。書いてたら木曜洋画のCMが恋しくなった。
20代〜30代初め頃、東京・立川の北側、玉川上水付近に僕が住んでいて、そのご近所には、ロバハウスがある。いまだに大変お世話になっている場所。そのロバハウスとロバの音楽座の毎年12月中旬〜下旬の恒例イベント「ロバのクリスマス」で、スタッフをさせてもらっていた。それこそ僕にとっても恒例行事のように。チケットをもいだり、掃除をしたり、トイレを案内したりするのだが、必ず1公演は本番も観せてもらえた。中二階から可愛らしくて美しい公演を楽しみながら、「あ、ホームアローン2の教会のシーンみたいだな」と、よく考えていた。
クリスマスだけじゃなく、人手が必要なときは声をかけてもらい、大して役に立ててるかわからなかったが、ちょっとしたアルバイトとして関わらせてもらっては、そのときそのときの様々なコンサートを観せてもらった。ロバはもちろんだけど、おおたか静流さん、栗コーダーカルテット、谷川俊太郎さんと谷川賢作さんなどなど。とてもじゃないけどチケットを払って観れなかったような生身の演奏を、沢山体験させてもらった。
若造の僕に、寛容に、良いものを浴びさせてもらった場所がロバハウスだ。そんなわけで『ホームアローン2』は、ロバハウスで本番を見守るときの心象を想起させる。『ニュー・シネマ・パラダイス』にも、同じような気持ちになる。
この頃、そろそろ今度は僕が良いものを浴びるチャンスを誰かに与えられるようにならねばいけないかもしれないな、とも思う。大袈裟かもしれないが、“世代交代”という言葉が頭にチラついて少し慌てる。粋な大人になりたいもんだ。
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