ストレンジ通りからの帰還
いつもと違う帰り道 不意に見付けた曲がり角の先
小さな変化と近道を 期待して踏み込んだはずだった
幅の狭い路地の両脇には 古い平屋が並び
家それぞれの頼りない 玄関灯りを辿り歩く
咳払い ナイター中継 会話は聞こえない
人らしき気配だけが 無愛想に漂っている
言葉に出来ない 仄かな心地悪さ
此処に長くは 留まれない
闇に囲まれた 臆病なよそ者
微かな煙草の煙の匂いで 家先に立つ人物に気が付く
ランニングシャツにサンダルとトランクス 表情は黒く塗り潰されて
だけどオレンジ