「源泉掛け流し」のありがたみを教えてくれたお宿10選
「お湯に手を加えないこと、それが先代からの教え」そう教えてくれたのは、「秘湯」という存在を知るきっかけとなったお宿の一つ、群馬県鹿沢温泉紅葉館さん。その後も様々な温泉で、「掛け流し」がいかに恵まれた温泉であり、様々な条件が整わないと不可能だというのを身をもって感じていきました。
なるべくそのままを味わいたいと思う旅人心。今回は、私に「源泉掛け流し」のありがたみを教えてくれたお宿を、僭越ながら一部ご紹介します。(あくまで伺った範囲内での個人的な感想です♨️)
①大地の恵みそのまま「足元自噴」
└岩手県 鉛温泉 藤三旅館さん
「足元自噴」という言葉を初めて知った旅館。手掘りの深い深い湯船。空間はとても広くとても静か。ここから温泉が湧いているのかとしみじみ大地を感じることができました。HP
└福島県 二岐温泉 大丸あすなろ荘さん
自噴泉岩風呂があり、川床をそのまんま活かした湯船はまさに自然そのもの。長い年月をかけて現れるポットホールがお湯の中に。すごい。大地の力強さを感じました。やや暗い岩風呂で、かなり神秘的な空間でした。HP
②大きな湯船でも完全放流を可能にする「豊富な湯量」
└山形県 大平温泉 滝見屋さん
湯量はなんと720l/分。川のすぐ隣の広々とした露天が男女それぞれと貸切とで全部で4つ。贅沢すぎる、、、一人旅で伺った私はもう大満足。こんなに開放的で自然を一身に感じられてのんびり寛げる温泉が源泉掛け流しだなんて、素晴らしすぎると感じた温泉。秘湯ページ
└山形県 湯の瀬温泉 湯の瀬旅館さん
その湯量はなんと800l/分。まるでプールな大きさの湯船。人生で初めて浮き輪をつけて温泉を泳ぎました。この大きさで加水加温循環塩素なしでも掛け流しが可能なのはこの湯量あってこそ。平日一人旅だったためほぼ貸切。頭上にはビニールがあり雨でも安心。大地から溢れ続ける温泉の量に感謝しながら泳ぎました。HP
③見合った湯船で常にフレッシュな温泉を「温泉協会オール5」
温泉協会による天然温泉表示制度。源泉、引湯、泉質、給湯方式、加水の有無、新湯注入率の6項目において5段階の評価基準にて温泉の質を表す看板が掲げられているのをみたことがあるかと思います。※天然温泉表示制度は2019年以降廃止されています。
└群馬県 法師温泉 長寿館さん
ステンドグラスの魅力的なお風呂や露天がある長寿館さん。お目当てはもちろんあの有名な「法師の湯」だったのですが、お宿の方いわく「長寿の湯」がおすすめだよと。そこで初めてオール5という温泉協会の評価の話を知り、湯船は小さいが、だからこそ新鮮なお湯が常に味わえるということを教わりました。温泉協会の評価看板
└群馬県 鹿沢温泉 紅葉館さん
冒頭でも紹介した「温泉に手を加えるな」というのが先代からの教えだと話してくださった紅葉館さん。温泉の入り口にはもちろんオール5の看板が。歴史感じる正方形の木製湯船に神秘的な空間。決して大きくないけれど、これがベストなんだと昔の人も知ってたんだろうな。だからこそ、引き継ぎそのままオール5の評価がついた。温泉を最高の形で体感できる環境を代々提供し続けてくれるからこそ、温泉のありがたみが味わえるんだと、そこに温泉があり宿があってくれることに感謝した温泉。HP
④しゅわしゅわぬる湯の大地の恵み「炭酸泉」
└群馬県 霧積温泉 金湯館さん
炭酸泉との初めての出会いはここ霧積温泉でした。その立地と歴史ある佇まいに惹かれ予約。お湯がこんなにもいいとは知らなんだ、、!浸かるとすぐにまとわりつく炭酸の気泡。加温せずとも39度の適温を維持する大地の凄さ。毎分300lの湯量も圧巻ですね。HP
└岐阜県 湯屋温泉 泉岳館さん
源泉を炭酸が消えないラインでぬる湯に加温した内湯は36度と温水プールみたいな適温で本当にずっと入ってられるエンドレス温泉。しゅわしゅわを存分に味わえる。日々変わる炭酸泉の様子をInstagramで見ていると、生きている地球を感じますね、すごい。透明ではなくやや濁り湯で、温泉成分が炭酸を通じて肌に染み込んでく〜美人になる〜なんて言いながら友人と長湯しました。HP
⑤じわりと温まる温泉の不思議
└長野県 鹿塩温泉 湯元 山塩館さん
海がないのにしょっぱい、2万年前の大地の恵みをありがたく感じられる温泉。源泉そのままでは冷たすぎて入れないそうだけど、隣接する加温温泉の熱を間接的に借りてちょうどいい感じに。一瞬冷たい?と思うんだけど、じわりじわりと肌になじみあったまってくる。心地が良い。くせになる。真水ではこうはいかない。なんじゃこりゃ!温泉て不思議〜て感覚を楽しみました。
⑥大地のエネルギーを一身に「間欠泉」
└広河原温泉 湯の華さん ※閉業
残念ながら今は入ることができない温泉。日帰りで一度お邪魔し、いつか泊まりたいな〜と思っていたお宿の一つでした。黄金色の温泉にタオルを巻いて入り、いつ温泉が飛び出てくるかかな、とソワソワしながら温泉を楽しみ、そうこうしてるうちに目の前でどばーっと温泉が吹き出す。大地のエネルギーを一身に感じた温泉。
さいごに
温泉を好きになれたのも、そこにある地球の恵みを受け継ぎ提供する環境を持ち続けるお宿あってこそ。改めて敬意の念が込み上げる。一言で紹介するには足りなすぎるし10に絞るには少なすぎるので、旅行の思い出を振り返りながら、写真と一緒に少しずつ紹介していきたいですね。大好きなお宿はまだまだたくさん。温泉の泉質や効能とかも今一度触れていきたい。温泉を通じて教わった自然の恵みと共に生きる秘湯の理念も。お宿目線、温泉勉強中の今だからこそ気がつけることもきっとたくさん。5年分か、、写真の整理します📸
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