The Wounded Storyteller: Body, Illness & Ethics
今月初めに読んだ本。邦訳も出ているようです。邦訳のタイトルもいいですよね。特にこの副題:身体・病・倫理なんて私が今、一番課題としている三代噺みたいで興奮しました。
でもって読んでいる時は確かに興奮したんですが、読み終わってしばらく経ってしまうと、やっぱり、「初めに言葉があった」と言うヨハネの福音書の伝統を受け継いだアカデミア、ロゴスの国の人、と言う感じがしてなりません。
と言うのも、自らの病の話をする人は証言者であり、それによって病気が道徳的責任に変わる、と。それは、本当にそうだと思うけれど、AAのような自助グループがなかなか日本に根付かないように、自らの話、病気の話をすると言うハードル、プラス、自己開示の仕方も違うのかな、という気がしています。
もちろん、そういった文化的条件も刻々変わってきているし、そのうち、AAのような自助グループも盛んになるかもしれません。それで救われるなら、盛んになってほしいと思っています。でも、もしかしたら、もっとアプローチしやすい方法もあるのかもしれない、と思ったり。なんて、そんなこと、全く思いつかないのですが。
素晴らしい、と思いつつ、少しモヤモヤの残る本でした。
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