私の名前は母ではない父の初恋の人の名前と同じだった
私の名前
私の名前(苗字でなく下の名前)漢字2文字です。
ひらがなにしたら聞かないこともない名前。
漢字が珍しいのか、幼稚園、小学校、中学校、
高校、短大で同じ漢字の名前の人と出会ったことはありません。私が狭い世界を生きてきたから出会わなかったのかもしれません。漢字1文字が同じ人はいました。
今まで出会った人の中では、父に北海道からすずらんを送ってくるようになった女性一人だけが
私と全く同じ漢字でした。小学校3年の時から毎年1回すずらんが父あてに送られてきました。
すずらんが届くことによる母の気持ち
私の名前の由来が、北海道からすずらんを送ってくる女性だとなんとなくわかったのは中学生になってからだと思います。小学校6年にすずらんが送られてくるのが最後に送られてこなくなりました。送られてくるたびに母は嫌な思いをしたんだと思います。あとで父に聞いたのですが、母が「娘と同じ漢字の名前の女性からすずらんが送られてくるのはいい気持ちがしない」と言われたそうです。
父の執念
なぜ、すずらんがうちに送ってくるようになったのでしょうか。父は話したがりませんので正確には分かりませんが、周りの話を繋ぎ合わせると次のようになります。
父は小学生の時に大好きな女の子がいた。
その子の名前は私と同じ漢字の名前。
父の思いは伝えられなかった。
でも大好きなので
自分に娘が生まれたら同じ漢字の名前をつけようと思っていた。母と結婚して娘が生まれたので
かねてから思っていた小学生の頃大好きだった女の子の名前を娘につけた。
ある時そのことを伝えたくて、方法を考えた。
そして小学校の同窓会の幹事になって先生から
名簿をもらっって連絡を取ろうと思った。そしたら北海道にいることが判明した。小学校は福岡県にあるので遠く北海道に嫁いでいた。そして父は北海道からわざわざ同窓会のために来てもらうことは難しいので実家に帰る日取りに合わせて同窓会を開いた。
そしていよいよ女性が実家に里帰りするタイミングの日程で先生や同級生に同窓会開催を告げて
同窓会を開催する。そして念願の再会と娘の名前を告げる。その日程の調整(と娘の名前に)に嬉しかったのか幹事のお礼か、自宅にすずらんが送られてくるようになった。
父の執念で思いは伝わった。
私の気持ち
すずらんを見たり聞いたりするたびに
私の名前の由来を思い出す。
今親になって、母の気持ちが痛いほどわかる。
旦那が小学生の時とはいえ大好きだった女の子の名前を娘につけるなんて考えるだけでも頭に来る。
実家では幸い私は名前で呼ばれずに「お姉ちゃん」と呼ばれていた。弟がいたから。
そういうわけで私は私の名前が嫌いだ。ただ、大好きな女の子の名前をつけて娘を可愛がっていた父の気持ちを考えると生きている間は変えれない気がするし、でも変えたい気もする。
今父とは疎遠になっている。
次は父の事を書きたいと思う。女好きである。