学校心理学が基礎とする教育心理学
教育心理学の定義:人間形成に関する原理と方法を研究対象とすること。
理論的側面:人と環境の相互作用という観点から人間形成(教育)が行われ、環境(学校などの教育機関)の在り方と個人の変容との関連を解明すること。
実践的側面:教育の問題を解決するために必要な知識や技能を体系化すること(たとえば、授業についていけない児童への対応やいじめなどの問題への対策)
従来の教育心理学では発達・教授・学習・パーソナリティ(人格):適応・測定・評価が主な領域
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近年の教育心理学では集団・人間関係や臨床・障害などに関する研究領域も重視されるようになってきた。
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学校心理学:学校における児童・生徒の学習面と適応面に焦点を当て学校教育場面において、心理学上の専門的な援助を行うための実践体系。
主にSCや学校心理学者などの専門家が学校で行うカウンセリングやガイダンスあるいはコンサルテーションを行うための心理学的な知見が学校心理学。
一方で学習上の問題にも焦点を当てている。そのため、疾患の治療・支援を中心とした臨床心理学やカウンセリングなどの焦点よりも、広い領域での専門的な心理学的援助を目的としている。
また、学校心理学では学校の現実的な諸状況のもとで起こっている心理学的な諸問題について、直接的な解決を目的としている。学校心理学は教育心理学より実際的かつ実践的な学問体系を志向している。
具体的な学校心理学の内容(主に3分野)
・児童・生徒の発達や問題に関する心理学的基礎分野:児童期・青年期の発達や学習、障害、行動などの各種理論によって構成
・児童・生徒・教師などの教育スタッフ、保護者に対する心理教育サービスに関する分野:心理教育アセスメント、カウンセリング、コンサルテーション、ガイダンスなどの各種理論と技法で構成
・学校教育に関する分野:教授法や治療教育法、学校組織論、教育行政学、学校経営論、障害児教育学などの学校領域の各種理論と技法で構成