体調不良の日の話
今日は昼過ぎから体調不良になってしまい、リビングの座椅子の背もたれを倒して、陽の光を浴びながらウトウトしていた。
すると、珍しくうちの犬が隣に寄り添って、丸くなって寝始めた。
『飼い主の体調不良を察し、心配して来てくれたんだな』と犬の背中をポンポンと叩きながら考えていた。
いつの間にか眠っていて、ふと目が覚めると犬はまだ隣で寝ている。
ただ、目はバッチリ開かれており、目と目が合うと
『プッス〜』と
ため息ともつかない鳴き声ともつかない音を出した。
私にはわかっている。
『そろそろ、散歩の時間だよ』
そう言っているのだ。
『ごめんな。今日は妻に連れて行ってもらってくれ』
目を閉じて心の中でそう思うと
『プッス〜〜』と
さっきよりも少し大きめな音が聞こえてきた。