甘いもの好き
夫の転勤で岡山に引越しをして、新しい生活が始まったばかりのころ。
近くにオープンしたケーキ教室に通うことに。
甘い物が好きすぎて、とうとう自分でも作ってみたくなったんです(笑)
軽い気持ちで足を運んだのですが、その場所が私にとって、お菓子作りの楽しさと出会うきっかけをくれました。
ケーキ教室で初めて挑戦したのは、スポンジ生地でした。
「こんなに繊細なんだ!」と驚くほど、お菓子作りは細かい作業の連続。
生地の混ぜ方、粉を加えるタイミング、卵の泡立て方などなど。
講師の先生に「混ぜ過ぎ注意!!」と言われたりコツを丁寧に教えてもらいました。
オーブンに入れて焼き上がりを待つ時間は、まるで子供のようにワクワク。
焼きあがってオーブンを開けた瞬間、
いい香りがふわ~。それだけでも幸せなのに、
超ふわふわ。
半分にスライスしてラズベリージャムをサンドし、表面には粉砂糖でお化粧。
あまりの美味しさと、しっとりした口当たりに感動しました。
そして私以上に甘い物好きな主人。
毎回、ケーキ教室から帰るたびに「今日は何のケーキ?」と待ち構えています。
出来立てのケーキを一口張ると「美味しい」と嬉しそうに笑ってくれます。
その笑顔が頼しくて、わたしはますますケーキ作りにのめり込んでいきました。
しかし、そんな夫にはひとつ困ったことがありました。
日に日に大きくなっていくお腹です。(笑)
「ちょっと太ってきたかも・・・。」と言いながらも、手作りケーキの誘惑には勝てないのでした。
ケーキ教室では、クッキーやシフォンケーキ、タルト、チーズケーキなど、さまざまなスイーツを学びました。
生地の混ぜ方ひとつ、卵を加えるタイミングひとつで仕上がりが全く違う。
お菓子作りって本当に繊細なんだと何度も試行錯誤を繰り返して学びました。
失敗するたびに「今度こそ」と意気込み、焼きあがったケーキが理想通りに仕上がった時の達成感は、何よりも大きな喜びでした。
この「丁寧に作ることの大切さ」も教室に通うことで学べた大切なことの一つだと思っています。
ケーキ作りがもたらした"私の時間”
仕事や家事に追われる毎日の中で、ケーキ作りは私にとっての癒しの時間でもありました。
オーブンから広がる甘い香り、きれいに膨らむ生地、最後の仕上げのデコレーションーーー。
そのすべてが楽しく、慌ただしい日々の中で私の心を落ち着けてくれました。
そして、家族や友人が私の作ったケーキを「美味しい」と言って、笑顔になってもらえるのが、何より嬉しく、幸せな瞬間でした。
ケーキ作りが私に教えてくれたこと。
ケーキ教室に通い始めた日々は、私にとって”自分の好きなこと”を見つける大切なきっかけに。
ただの趣味として始めたお菓子作りが、家族の笑顔や自分の楽しみへと繋がっていくーー。
「美味しいものを作るって、こんなに楽しんだ」
そのシンプルな気づきが、後の私の人生を少しずつ変えていったのです。
当時はまだ、カフェの「カ」の字も飲食業の「い」の字もない私でしたが、自分で作る楽しさと、「美味しい」と言って食べてくれる喜びを実感していました。
美味しいお菓子を作るには大切なポイントやコツがたくさんあって。
例えば、生地の混ぜ方や卵を加えるタイミング、メレンゲの泡立て方などなど。
それを学べたことが、その後に生きていくなんて、その頃は想像もしていませんでした。
当時の教科書はカフェを始めると決めてからも、そのあとも、ずっとずっと私の相棒のような大切な存在になり、シロップやチョコレートなどのシミがたくさん。
ぼろぼろになって破れる前にコピーしては見返して。
途中、自分なりの工夫やアレンジも加わっていき、私だけの特別なレシピになっていき、今でも大切な宝物です。
いつか、とっておきのレシピもご紹介できたらと思っています。
そちらも楽しみにしていたけると嬉しいです。