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映画の記録「1ST KISS」きゅんきゅん、後じんわり
2月14日、映画「1ST KISS」を観に行った。
平日のレイトショーの割にお客さんが多いなぁと思っていたが、あっ、今日バレンタインだからかと気づいて、妙に納得。
坂元さんの脚本と松たか子さんの組合せが結構好きなので、気になっていた作品。
映画館で観なくても良いかなぁとも思っていたけれど、どっぷり浸れるので映画館にして良かったです。
〜以下、ネタバレも含みます〜
「過去に戻って、夫が死なないように救う」
ざっくりそんなストーリーと認識していたので、良くある話かなぁと見る前は思っていた。
でも、予想していたタイムリープものとはひと味違うんです。
まず、過去に戻っていられる時間が短い!
松さん演じる主人公のカンナが、15年前、後の夫・駈(カケル/松村北斗さん)に初めて出会う日の8時間程度しか戻れない。
私の中でのタイムリープものと言えばの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では、少なくとも数日はタイムリープして、未来、過去を変えるべく奮闘している。
最初は、8時間で15年先の未来が変えられるかねぇと、正直、設定に無理がある気がした。
でも観終えてから考えてみると、今の自分の考え方や行動に、結構昔のことが影響を与えていることもあることに気づく。
すごくはっきり「あの人が言った、あの言葉で人生変わった!」とまではいかなくても、心にじんわり染みている言葉や情景がある。
良いこともあれば、悪いことも。
そう気づくと、8時間だとしても充分に未来を変える可能性はあると思える。
そして、今日一日の過ごし方が何年、何十年先に何か影響するかもと思うと、今日を大事に過ごしたいと思えてきた。
次に、タイムリープめっちゃしてる!
命を救うという一大ミッションだから真剣なのかと思いきや(いや、真剣ではあると思うけれど)、胸キュンなセリフをおかわりしたくて、何度もタイムリープしちゃうとこなんて、そんな気安くしていいの?と可笑しくなってしまう。
まぁ、あのシチュエーションは、何度も味わいたくなるのは分かるけど(笑)
パラレルワールドが多くなり過ぎて、カンナは一体どのシナリオに戻っているのか?
深く考えると訳が分からなくなってしまう。
そして、結末は予想外だった。
自分がもし駈と同じ立場だったら、彼のように強くなれないし、諦めずに日々の幸せを紡いでいこうとは出来ないと思う。
自分はいつ死んでしまうのか。
有難いことに、健康な今はほとんど意識していないし、怯えることもない。
ただ、死は必ずいつかはやってくる。
それまでの間、自分の大事な人との楽しい、楽しいまでいかなくても“なんか良い”思い出は、出来るだけ増やしていきたいと思った。
最近、気の合わない人との嫌なやり取りに、心が占領されてる時間が結構あったけれど、「いやいや、そんなことに占領されてたら、もったいないよ、わたし!」
タイムリープとは関係ないところでは、松さんのずぼら感あふれるセリフや演技が良かった。
ご本人のイメージからすると、ずぼらとは縁遠そうなのに、なぜかしっくり来るんだよなぁ。
今回、カバーイラストとして描いたのは、カンナ駈夫婦の些細な幸せエピソードで、一番好きだったシーン。(予告編でチラッとこのシーンがあったので、それ観ながら描いてみました。)
帰り道、最寄駅で偶然一緒になって、アイスを買って食べながら帰る2人。
家に着くちょっと前から、思いがけず気を緩められるのが、なんか棚ぼた的に嬉しいもので。